設置しない理由トップは「義務化されていなから」
公共施設などで、よく目にするようになった「AED」。「自動体外式除細動器」と呼ばれる医療機器で、心臓に電気ショックを与えて、けいれん状態となった心臓を正常なリズムに戻すためのものです。平成16年から、医療従事者以外の使用も認められ、空港や駅、学校などの公共施設にも幅広く設置されるようになりました。
スターティア株式会社では、企業の管理担当者555人を対象に「AEDに関する意識調査」を実施。その結果、企業のAED設置率は大手企業88.4%、中小企業(従業員300人以下)は40.8%と、会社の規模によって設置率に約2倍の差が生じていることがわかりました。
しかし、AEDを設置していないと答えた人でも、過半数が「必要だと思う」と回答。そこで、設置しない理由を尋ねたところ、「義務化されていなから」が約半数を占めており、「設置するきっかけがないから」、「価格が高いと思われているから」などと続きました。
役割は理解しているも、いざという時には使えない?
「使用方法・役割の理解度」に関する質問には、全体では「理解していると思う」が59.9%となり、半数以上が理解しているという結果になりました。一方で、「緊急時に適切に取り扱う自信度」を尋ねたところ、「自信がある」と答えた割合は36.9%。従業員数別にみると、大手企業は47.8%とほぼ半数に近い結果でしたが、中小企業では31.8%と、ここにも開きがみられました。
また、「社内にAEDを設置後、最も気がかりになることは何か?」という質問には、「緊急時に適切に取り扱うことができるかわからない」との回答が39.2%と最多。さらに、「取り扱いを全社員に周知させることが難しい」、「保守管理の仕方がわからない」という声も聞かれました。
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これらの結果から、AED設置という“ハードル”をクリアしても、緊急時の取り扱いにおける不安という課題があることがうかがえます。AED自体は、操作方法を音声でガイドしてくれるので、簡単に誰でも使用できるものです。一刻を争う人命救助の場で、躊躇せずにAEDを使えるよう、講習会に参加するなど、日ごろからきちんと備えておきたいですね。(菊地 香織)
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