1キロ5900円 狙われるゾウの皮 薬やネックレスとして中国での需要急増

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2016年09月30日 19:12  Techinsight Japan

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皮を剥ぎ取られたアジアゾウ(出典:http://metro.co.uk)
象牙を狙った密猟により、アフリカゾウが過去10年間で11万1千頭も減少していたことが、今月24日から南アフリカのヨハネスブルクで開かれているワシントン条約締約国会議で「国際自然保護連合(IUCN)」により報告された。しかしアジアでは、象牙ではなくゾウの皮を狙った密猟が急増しているという。

死んで横たわるアジアゾウの体にはナイフが入れられ、その皮の一部は長方形に無残に切り取られている。この写真を撮影したのは、アジアゾウとその生息地を保護することを目的としイギリス・ロンドンを拠点に活動する非政府組織「エレファント・ファミリー(Elephant Family)」だ。彼らが実際にミャンマーに足を運び、アジアゾウが殺され、皮が剥ぎ取られ、中国に売られていく実態を覆面調査した。

ミャンマー政府は2013年から2015年の2年間でアジアゾウの密猟が25%も増加していることに懸念を示していたが、ここ2、3か月で新たに国内の熱帯雨林で4頭のアジアゾウの死体が発見されたことを明らかにした。しかしミャンマーのアジアゾウに詳しい消息筋によると、公式に発表されず闇に消えたアジアゾウは今年だけで50頭は下らないとしている。またミャンマーの野生のアジアゾウの生息数は2000頭ほどと危機的な状態にあるという。

アジアゾウの専門家は「ここ最近、ゾウの皮を乾燥させたものが売買されているのをよく見かけます。これは今までには見られなかったことです。アジアゾウの取引に関しては非常に危惧しています」と語る。

中国南西部では最近、421キロのゾウの皮が押収されている。希少動物の違法取引が横行しているとされる、中国との国境の町モンラの市場がアジアゾウの皮の取引の舞台となっているようだ。モンラでは1キロあたり、日本円に換算して約5900円でゾウの皮が売られているそうだ。

中国ではゾウの皮は薬としてだけでなく、健康を呼ぶお守りとしてビーズのように加工されブレスレットやネックレスとして使用されている。最も高く売れるのは赤く輝くチェリーレッドのビーズで、黄色やオレンジ色は価値が下がるという。

象牙への監視が厳しくなるなか、新たな市場を開拓し始めた中国。エレファント・ファミリー代表のルース・ポーイスさんは「アジアゾウに関する人々の関心が高まり、政府に直接働きかけることができれば、我々もパトロールを強化し、更なる調査を重ねることで密猟を防ぐことができるでしょう。アジアゾウの全滅を避けるためにも、この取引を止めさせる必要があるのです」と語っている。早急な対策が望まれる。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

このニュースに関するつぶやき

  • トモミ(笑) 日本が反対したのは象牙だ。この記事は、象牙ではなく、象の皮が剥ぎ取られてる事を問題視してる。
    • イイネ!3
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