【コラム】　日米で続々 マンガ・アニメの実写映画化

　人気マンガやアニメには、確立された世界観とキャラが盛りだくさん。ヒットが狙えるとあって、映画・テレビ業界に実写化ブームが起きました。オリジナル脚本の不足に悩む米映画界でも、日本は原作の宝庫として注目を浴びています。 　米国で実写化が実現した日本マンガといえば、1995年公開の「北斗の拳」を思い出す人もいるでしょう。原作から遙かに遠い設定と、チープな映像技術でB級・C級的な扱いを受け、ある意味伝説となりました。ただ、2000年以降は「新世紀エヴァンゲリオン」「MONSTER」「寄生獣」「魔女の宅急便」など、数多くの日本作品が候補に挙がるもなかなか公開には至っていません。 　そんな折、昨年12月、20世紀FOXが「ドラゴンボール」（鳥山明原作）の撮影に入りました。 　描かれるのは「Z」編の格闘バトル路線で、悟空の敵ピラフ一味マイ役に、ロスを拠点に俳優活動をしている田村英里子が抜てきされ話題になっています。ただし悟空は「ユニテック高校」に通う学生と、原作とは多少設定が異なるよう。

メキシコで撮影が開始された「ドラゴンボール」（メキシコの映画情報ブログサイトより）

　そして米ワーナーも、大友克洋の代表作「AKIRA」を来年夏の公開に向け準備中です。 　監督はCM界出身のライリー・ロビンソン。新型爆弾に破壊されてから31年後の「ニュー・マンハッタン」を舞台に、映画「ブレード・ランナー」と「シティ・オブ・ゴッド」を掛け合わせたような作品を目指しているそうです。「AKIRA」ファンの俳優レオナルド・ディカプリオもプロデューサーとして参画。出演の可能性もあるとか？ 　 　アニメでは、タツノコプロ制作の「マッハGO GO GO」が原作となった、ハリウッド版「スピード・レーサー」（マトリックス三部作を手がけたウォシャウスキー兄弟監督作）も、今年の夏に公開が決まっています。こちらには真田広之が出演。 　ハリウッドで実写化が進展していくなか、本家本元、日本でもタツノコプロの「ヤッターマン」や「科学忍者隊ガッチャマン」など、「往年の名作」の実写化に着手しています。 　三池崇史監督がメガホンを取る「ヤッターマン」は、ドロンジョ役にアンジェリーナ・ジョリーか？　と憶測が飛ぶも結果的に深田恭子に至るまで、さまざまな論議が生まれ、話題を呼びました。 　 　話題のキャスティングといえば、「このマンガがすごい！」（2006・宝島社）のオトコ版1位を獲得したギャグマンガ「デトロイト・メタル・シティ」（若杉公徳原作）の主役に、松山ケンイチが抜てきされ注目が集まっています。「DEATH NOTE」で天才探偵「L」役を細かい手の動き、間合いにいたるまで、完璧に再現した松ケン。今度は「クラウザーさん」としてブチ切れパフォーマンスをどのように演じるのでしょう。

「デトロイト・メタル・シティ」のサイト。ライブ観客などエキストラ募集も。

　このほか邦画では、3部作で製作される「20世紀少年」（浦沢直樹原作）や、小泉今日子主演の「グーグーだって猫である」（大島弓子原作）などの実写化も控えています。 　奇しくも「競演」の兆しが見えてきた日米の映画界。原作ファンが気になるのは、やはりキャスティングと名シーンの再現性といったところ。忠実な再現を望むのはもちろん、原作とのギャップには笑みをこぼしながら、この実写化ブームを楽しんでみてはいかがでしょうか。（編集・執筆／mixiニューススタッフ） 関連サイト： ドラゴンボール公式サイト　http://comics-news.shueisha.co.jp/common/dragonball/index.html メキシコの映画情報ブログサイト（スペイン語）http://blogs.hoycinema.com/movieland/post/2007/12/08/7-enero-empieza-oficialmente-filmacion-dragon-ball 田村英里子公式ブログ　http://www.erikotamura.jp/blog/ AKIRA公式サイト　http://www.bandaivisual.co.jp/akira/ スピード・レーサー公式サイト（英語）　http://speedracerthemovie.warnerbros.com/ デトロイト・メタル・シティ公式サイト　http://www.younganimal.com/dmc/ 20世紀少年公式サイト　http://www.20thboys.com/

---

その他のよりミク記事： ・グラミー総なめ 英国が生んだゴッド姐ちゃん ・エイリアンと交信? 科学者たちの空想 ・犯罪多発の街にそびえる「地上の楽園」 【よりミクとは？】ちょっと気になるあの話題、巷でウワサのあの商品をニューススタッフが調査し、コラムにしてお届けします。「より道」感覚で、ニュースとはひと味違うコンテンツをお楽しみください。