外出頻度が高い人ほど「認知症自立度」が維持される傾向に

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2016年10月06日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

約6割が「1年前と比べて悪化した」と回答

 9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。国際アルツハイマー病協会が1994年の第10回国際会議を機に、この日を「記念日」として宣言しました。また、9月は「世界アルツハイマー月間」でもあり、70以上の国と地域で、認知症患者を抱える家族団体などが、病気に対する理解の向上を図ったり、患者や介護者を支援したりする活動を展開しています。

 世界アルツハイマーデーにちなみ、ユニ・チャーム株式会社が「認知症に関する調査結果」を発表。この調査は、2015年から継続しているもので、「介護する側から見た、1年前と比較した被介護者の認知症の症状・基本的生活動作・生活意欲」について、40代以上の介護者639人から回答が集まりました。

 症状の変化について、約6割が「1年前と比べて悪化した」と回答。被介護者のADL(Activity of Daily Living=日常生活動作)は、ADL1(ひとりで歩ける)からADL4(立てないが、介助があれば座ることができる)までさまざまですが、そのレベルに関わらず、介護者の多くは「1年経つと悪化している」と感じていることがわかります。

週3日以上外出している人は認知機能が維持

 今回の調査では、高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活の自立度を表す「認知症自立度」と外出頻度との関係を調べています。認知症自立度とは、認知症高齢者の日常生活の自立度を示したものです。高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活自立度の程度を表すもので、介護保険制度の要介護認定でもこの指標が用いられており、数値が低いほど自立度が高いといえます。

 調査の結果、週3日以上外出している人は認知機能を維持できていましたが、「週1〜2日」、「月1〜2日以下」と外出頻度が減るごとに、認知症自立度のスコアは低下。このことから、よく外に出る人ほど認知症の症状が悪化していないことが明らかになりました。また、食事や入浴などの「基本的生活動作」と、起床や食事などの「生活意欲」といった面でも、外出頻度の高い人の方が1年後のスコアが高い傾向にあることも判明。基本的生活動作においては、週3日以上外出している人は、月1〜2日以下の人より15点ほど高いという結果も出ています。

 今回の調査では、外出と認知症の症状悪化、基本的な生活動作や意欲の間に、一定の関係性があることが示されました。ユニ・チャームでは、地域の名所探しや地域活動の参加など、目的を持って社会と触れ合いながら行う「ソーシャル・ウォーキング」を考案し、体験イベントも実施しています。認知症予防のためにも、普段のウォーキングに“+α”した活動に参加するのもいいかもしれませんね。(菊地 香織)

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