服薬支援ロボ、ユーザーの7割が「飲み忘れ防止」効果を実感

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2016年10月12日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

音声案内が自発的に薬を飲むきっかけに

画像はリリースより

 年を重ねると、日常的に飲む薬の量は増えるもの。朝、昼、晩の食前食後、食間に、たくさんの薬を飲むおじいさん、おばあさんの姿が思い浮かぶ、という方も多いのではないでしょうか。高齢者にとって、1人で薬を仕分けて飲むという作業は、楽なものではありません。さらに、飲み忘れや飲み過ぎなど、命に関わるトラブルも起こり得るのです。

 このような問題を解消するため、 クラリオン株式会社は「服薬支援ロボ」を開発し、2014年から販売。設定時間になると、音声と画面表示で服薬を知らせ、利用者が装置内部に収納した1回分の薬を取り出して飲むという仕組みです。同社では、導入後の利用者の変化を調べるため、50〜90代の利用者22人を対象に、訪問薬剤師による聞き取り調査を行いました。

 その結果、導入効果を感じる項目のトップは、「飲み忘れ防止」で、7割を超える人が実感。次いで、「飲み過ぎ防止」(45.5%)、「飲む時間の間違い防止」(同)と続きます。また、8割の人が「音声案内が自発的に薬を飲むきっかけになっている」と答えており、“介護ロボット”としての機能が十分活用されていることがうかがえます。

家族の心理的、身体的負担も軽減

 規則正しい服薬習慣が身に付くことで、利用者の生活リズムに変化が生まれたかを尋ねると、6割強が「変化があった」と回答しています。具体的には、「朝と夕の飲み間違いがなくなり、朝もきちんと起きるようになった」、「服薬時間に合わせて食事や入浴などの生活リズムが整っている」など、生活リズムの改善を喜ぶ声が多く聞かれました。

 利用者のみならず、介護する家族の心理的、身体的負担の軽減にも役立っており、アンケートに協力した全ての家族が「手間が軽減された」と答えています。軽減のトップに挙げられた項目は、「薬を自ら飲んでくれること/薬を抵抗なく飲んでくれること」で、「声掛けが減った」、「残薬管理がしやすい」などと続き、毎日決まった時間に薬を飲ませることが、どれほど労力を使うことかがわかります。

 介護現場での試験や介護職員へのヒアリングを通し、介護を必要とする人の安全性と介護者の利便性の両立を目指して、服薬支援ロボは開発されました。今回のアンケート結果からは、その役目を十分に果たしていることが見て取れます。介護業界に“ロボットパワー”が加わることで、介護する側も、される側も、気持ちが楽になっているようです。(菊地 香織)

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