体外受精が胎児の先天性異常リスクを低減させる

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2016年10月27日 07:01  妊活・卵活ニュース

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胎児の先天性異常リスクが減少 アデレード大学の研究チームは、40歳以上の女性が体外受精により妊娠に至った場合、自然妊娠と比べ、胎児の先天性異常リスクは低減すると発表した。

これまで、一定の年齢以上である女性が、不妊治療により子供を授かると、胎児が先天性異常である可能性は高くなると言われてきた。

研究チームは、40歳以上の女性にとって、体外受精における生物学的条件は、より好ましい妊娠環境であると考える。なお、現在、因果関係については調査中であるという。

覆された定説 これまで、40歳以上の女性が不妊治療により妊娠・出産した場合、35歳以上の女性が自然妊娠により妊娠・出産した場合、ホルモンバランスや卵巣機能低下により胎児が先天性異常である可能性は高まると言われてきた。

そのため、不妊治療では、妊娠・出産時における女性の年齢が、胎児の先天性異常に影響すると考えられていた。

一方、今回の研究では、体外受精と顕微授精を行った場合、先天性異常の発生率は29歳前後では9.4%、40歳以上では3.6%に減少すると判明した。40歳以上の自然妊娠では5.6%であった。

年齢と先天性異常の発生率 研究は南オーストラリアにおける出生記録(1986〜2002年)に基づき、自然妊娠による妊娠・出産は30万1000件、体外受精は2200件、顕微授精は1400件と記録されている。

自然妊娠において、胎児の先天性異常は平均5.7%であった。30歳以下の女性では5.6%、40歳以上の女性は8.2%に増加した。

不妊治療における胎児の先天性異常リスクは、体外受精で7.1%、顕微授精で9.9%であった。なかでも、顕微授精を行った30歳以下の女性では11.3%となり、最も高い数値となった。一方、体外受精を行った40歳以上の女性では最も低く、3.6%と低減した。

アデレード大学のマイケル・デービス(Michael Davies)教授は、不妊治療により母体年齢が胎児に与える影響が軽減されるのではないかと推測する。

The University of Adelaide

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