人口ピラミッドから見える日本の今、そして未来は?

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2016年11月10日 12:00  QLife(キューライフ)

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世界一の“超高齢社会”に

画像はリリースより

 「高齢化」と「少子化」。これらは、今の日本を語る上で、欠かせないキーワードです。特に、高齢化は世界に類を見ない速さで進行、「超高齢社会」と呼ばれるまでになりました。総務省統計局が、敬老の日に合わせて毎年公表している「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」によると、総人口に占める高齢者の割合は27.3%と過去最高を記録。さらに、女性の高齢者割合は30.1%と、初めて3割を超えました。

 他国の現状はどうなっているのでしょうか?主要7か国の20年間の高齢者割合の推移を見ると、1995年のトップはイタリアで18.5%、日本は5番目の14.6%で、欧州諸国とほぼ同水準でした。その後、他国は緩やかに上昇しているのに対し、日本は急上昇。2005年には20.2%でトップになり、それ以降、「世界一の超高齢社会」になりました。

 高齢化のような、人口の基本的な構造をわかりやすく示す方法に、「人口ピラミッド」があります。縦軸が年齢、横の棒グラフが男女別の人口を表しており、ニュースなどで目にしている方も多いかと思います。人口ピラミッドの形は時代によって異なり、例えば、1920年は底辺となる0歳の人口が最も多く、年齢が上がるにつれて少なくなり、三角形のような形をしています。

鍵を握る「団塊」&「団塊ジュニア」世代

 一方、今のピラミッドは三角形ではなく、大きな隆起が2つあるのが特徴です。「団塊世代(1947〜49年生まれ)」と、その子どもにあたる「団塊ジュニア(1971〜1974年生まれ)」の人口が突出しているためです。団塊世代の66歳人口は216万人、団塊ジュニアの41歳人口は197万人で、1歳児人口100万人の約2倍にも達する大きな規模の人口となっています。

 これらの世代の動きは、社会経済に大きな影響を与えます。「2017年問題」や「2025年問題」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?団塊世代は、2017年から70歳になり、日常生活における健康上の問題が大きくなることから、介護の人材不足などが懸念されています。さらに、2025年には団塊世代が全て後期高齢者(75歳以上)となり、社会保障費の増加が予測されています。

 また、団塊ジュニアは少子化問題と密接な関係にあります。団塊ジュニアが30〜40歳の間は、出生児数は年間110万人前後で推移し、少子化にある程度の歯止めをかけてきました。しかし、今後は出産する母親世代の人口が減少するため、たとえ出生率が上昇しても、生まれる子どもの数は減少することが予想されます。人口ピラミッドから見えてきた日本の未来は、今を生きる世代に警鐘を鳴らしているのかもしれません。(菊地 香織)

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