『真田丸』の今だから話せる裏話集「オープニングのイメージは“あの映画”」

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2016年11月20日 12:00  週刊女性PRIME

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甲冑姿の幸村(堺雅人) (c)NHK

 NHK大河ドラマ『真田丸』も最終回まであと1か月! 今だから話せる裏話や、小道具に込めた思いがここに。それではおのおの、ぬかりなく──。

赤備えにワクワク!

 ついに始まった大坂の陣。幸村(堺雅人)を名乗った信繁の活躍に色を添えるのが、真田勢が身につける甲冑“赤備え”。番組スタート当初から、堺は「いいおもちゃをいただいた感じなので、生き生きとやらせていただきたい」と、意気込んでいた。制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサーは、

「美術スタッフ、渾身の作。堺さんは“重たい”と言いながらも、うれしそうでした(笑)。まさに堺さんならではの幸村像で、胴に刻んだ模様など、ちょっと西洋風で、豊臣を助けるために現れた中世の騎士のようなイメージもあると思います

 作中では秀頼(中川大志)からもらった金銀で、真田勢すべてを赤備えにしたという設定。

「撮影用の甲冑はレンタルのものを手直ししていますが(笑)、信繁のものは堺さんの身体で寸法をとった、完全な“オーダーメード”です」(屋敷CP)

いい意味で“バラバラ”

 秀頼の呼びかけに応じた牢人たちの要となる“五人衆”。信繁を筆頭に、後藤又兵衛(哀川翔)、毛利勝永(岡本健一)、長宗我部盛親(阿南健治)、明石全登(小林顕作)。武芸に秀でた強者から、元は大名として一国の主だった者などさまざまな顔ぶれが。

「Vシネの帝王から舞台俳優、ダンサーなどと牢人衆のキャスティングは、バラバラな感じがいいなと思っていました。悪く言えば烏合の衆。でも、キャラクターがいろいろなジャンルから集まった感じにしたかった」(屋敷CP)

 盛親を演じている阿南は、

「真田さん以外の4人も本当に個性的。祈ってばかりいるバテレンさん(明石)、愚痴ばかり言ってる又兵衛さん。クールに斜に構えていても嫌みを言う毛利さん(笑)。こんな濃いキャラの中で、自分が消えないように頑張っています(笑)」

生涯初めての城に込めた思い


真田丸のスケッチ (c)NHK

 徳川勢を迎え撃った、出城・真田丸。物語のクライマックスの中心となるだけに、ドラマの中で作られた真田丸は、スタッフたちの信繁に対するリスペクトが十二分にこもっている。

「“これで城持ちになれた”というセリフにもありましたけど、城を持てなかった信繁が、急ごしらえとはいえ唯一、作ることができた城はどんなものだろうと考えました。真田丸の研究で有名な千田嘉博先生とか、うちで戦術考証をやっている西股総生先生とか、うちの美術チームとともにさまざまな意見を取り入れて、絵的にも見栄えのいい最高のものを作り上げたと思っています」(屋敷CP、以下同)


「幸村」の名前が決まった瞬間 (c)NHK

“幸村”にたどりつくまで

 誰もが知っていて人気のある“幸村”という名前をあえて使わず、史実に忠実に信繁で始めた『真田丸』。実は、ここぞというタイミングで幸村と名乗らせることは決めていたという。

「家康を討つために、大坂へ入るタイミングで改名させようと。スタッフでいろいろな案を出し合いましたが、最終的にどうやって名前を変えるのかは三谷(幸喜)さんのアイデア。僕たちも台本を読むまで知らなかったんです

 “武田” “沼田”など自身にゆかりのある言葉を紙に書き出し、ひと文字ひと文字に切り分け、壺に入れた紙を息子・大助に引かせた。あらかじめ決めていた父・昌幸(草刈正雄)の“幸”と、息子の引いた九度山村の“村”からとって幸村に。

「台本を読んだときは三谷さんらしいな、と思いましたね。今の九度山町の方々はめちゃくちゃ喜んでいますよ。“100年後には、これが史実になるんじゃないか”ってみなさんで話しているそうです(笑)

オープニングのイメージはあの映画


『真田丸』の印象的なオープニング

『真田丸』のタイトルが砕け散り六文銭をバックに、有働由美子アナが前回までのあらすじをナレーションで語る、心をつかむオープニング。

「あの部分、僕たちは“スターウォーズ”と呼んでいるんです」

 SF映画の金字塔的作品の“はるか昔、銀河系のどこかで……”とナレーションとともに文字が動いていく、物語のイントロダクション。

「大河の放送時間は45分間ですが、テーマ曲と最後の紀行をはずすとぴったり40分なんです。まずナレーションでわかりやすく解説しようと。それを狙って六文銭に文字を流すというアイデアが生まれました」

 基本的にはタイトル前には演技シーンはなし。いきなりテーマ曲で始まるのは、往年の大河ドラマを意識しているという。

「物語の流れを切らずに40分間、集中して見ていただきたいという三谷さんの強い思いもありました」

堺が輝かせたバイプレーヤー


「だまれ小童!」のセリフが話題になった西村雅彦演じる室賀正武 (c)NHK

 今回は主要キャスト以外でも、存在感が強いキャラクターたちに注目が集まった。

「反響がすごかったのは、前半でいえば室賀正武(西村雅彦)と出浦昌相(寺島進)ですね。室賀のご子孫の方からもたくさん手紙をいただきましたし、“だまれ小童(こわっぱ)!”があんなにも有名になるとは思っていませんでした(笑)。あとは小山田茂誠(高木渉)や、新しい解釈で描いた豊臣秀次(新納慎也)とか。新納さんの演技もハマって、視聴者の方には“秀次ロス”にもなっていただきましたしね(笑)」

 このようにメインキャスト以外に注目が集まるのは、主演・堺の演じ方にもよるところがある、と屋敷CPは語る。

堺さんは、自分の芝居だけを主張せず相手のお芝居をちゃんと受けるから、周りの人たちのお芝居も目立つんですよ。他局ですが『半沢直樹』からも注目された方たちがたくさん出てきましたよね」

 舞台俳優として名前が通っていた石丸幹二や、堺が演じる半沢直樹の同期を演じた滝藤賢一、『真田丸』でも大谷刑部を演じた片岡愛之助らが一気にブレイクした。そこには主役・堺の力が大きいという。

「相手がどう仕掛けてきても、そこに合わせることができる、次元の違うフレキシビリティーを持っている人です

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