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学研の月刊保育絵本「みみちゃんえほん」から初の市販絵本発売を記念して、約40年の変遷をプレイバック!

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2017年02月08日 09:33  MAMApicks

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学研から赤ちゃん向け生活絵本の新シリーズ、「みみちゃんといっしょ!」が出版された。『できた できた トイレ』と『できた できた はみがき』の2冊で、キャラクター原案は「ぴよちゃん」シリーズで人気の絵本作家・いりやまさとしさん。メインキャラクターである「みみちゃん」は人形作家コッペ平沢さんの手によって立体化され、それを背景や小物などとともに撮影することで、絵本の世界観がつくられている。


うさぎの「みみちゃん」という名前に聞き覚えのある方もいるかもしれない。というのも「みみちゃん」は、この絵本のために生まれたキャラクターではなく、学研が発刊している月刊保育絵本「みみちゃんえほん」のメインキャラなのだ。

月刊保育絵本とは、「キンダーブック」(フレーベル館)や「チャイルドブック」(チャイルド本社)などをはじめとした幼児向けの絵本で、おもに幼稚園や保育園への直販ルートで、毎月子どもたちのもとに届けられている。

学研の「みみちゃんえほん」は1970年の創刊で、対象は2〜3歳児。「できたよできた 生活絵本」をキャッチコピーに、全国の幼稚園・保育園で愛読されている。創刊当初からさまざまなうさぎのキャラクターが「みみちゃん」を務めてきたが、いりやまさとしさんデザインの「みみちゃん」は2007年からの採用で、13代目にあたる。

今回は「みみちゃんえほん」初の市販本化を記念して、株式会社学研教育みらいの「みみちゃんえほん」編集部を訪問。バックナンバーからみみちゃんが歩んできた40余年の歴史を振り返らせてもらった。

■レトロなタッチから今どきのみみちゃんまで 歴代表紙の変遷

昭和50年代から平成初期、そして最近のものまで、歴代表紙を順に追って見ていくと、みみちゃんが時代とともに様変わりしてきたことがよくわかる。人形から2Dに、そして少しだけふくらみを持たせた半立体になったりもしながら、現在再び人形に戻ったという変遷も興味深い。使用される画材や色使いなどにも、そのときどきの流行りが反映されていたようだ。

どの表紙に懐かしさを覚えるかは、何年生まれかで少しずつ違ってくるかと思うが、筆者は1990年代あたりの“ちょい懐かしい”くらいのタッチに、なんとなく妙なこそばゆさを感じてしまう。

■同じテーマを扱っていても、時代とともに描き方も変化する
「みみちゃんえほん」はトイレ、はみがき、手洗い、あいさつといった生活習慣を主なテーマとして掲げているのだが、同じテーマを扱っていても、その描き方は時代とともに少しずつ変わってきている。



たとえば食事。昭和50年11号では、「あら あら、のこした こは だあれ」と食べ物を残した子どもを注意するシーンが描かれているが、現在は食物アレルギー等の理由で食べられない子への配慮から、こういった描写は避けているそうだ。




昭和51年9号の運動会のシーンは、昭和の匂いがぷんぷんと漂う。観客席を見ると、和服のおばさんの隣に喫煙中のおじさん。喫煙者に厳しい今の世の中ではありえない風景が描かれていた。

家族が家で過ごす様子も、今ではほとんど描かれなくなったそうだ。というのも、昔ならエプロン姿のお母さんがスーツ姿のお父さんを見送る……といったステレオタイプの家族像を描けばよかったのだが、今は共働きも多く、夫婦の役割分担も多様化しているからだ。




絵に添えられる文章にも時代の変遷が読み取れる。たとえば上の昭和50年5号には、キャラクターの名前の紹介以外は「てを あらおう」という一文しかない。当時はこのような感じで、文章がかなり少なかったという。一見大雑把なようにも見えるが、読者や保育者に自由に読み取って自由に会話してほしいという大らかさも垣間見える。




それに対して昭和61年4号を見てみると、「あれ あれ、いけない こは いませんか」以外にも「じゃんけんできめようね」「まっててね」「ひとりじめはずるいよ」など、子どもたちのセリフもあり、さらには右下にワンポイント・メモとして、「園遊びのルールが自然に身につくように、絵を見て話題を広げてください」という園の先生や親へのアドバイスも表記されている。


これについて「みみちゃんえほん」編集長の沖野陽子さんに伺うと、「昔よりも今の方が、園の先生や親御さんへのフォローが細やかになってきていますね。しかもアドバイスの仕方もけっして上から目線ではなく、『無理しなくていいですよ』『焦らず、子どもの自然な育ちを待ちましょうね』と、保護者の方に寄り添う感じになってきています」とのこと。

長い歴史の中でも変わらないコンセプトは、「みみちゃんと一緒にがんばる」「みみちゃんみたいにできた!」というもの。新刊『できたできた トイレ』と『できたできた はみがき』の裏表紙には、本誌でアドバイザーをされている心羽えみの保育園石神井台の園長・高橋雅江さんからのメッセージが掲載されている。正解のない子育てに戸惑い気味の新米ママ・パパは、大いに励まされるに違いない。

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現行のいりやまさとしさんデザインによる「みみちゃん」は、今年で10周年を迎える。これまで幾度もデザインチェンジを繰り返してきた「みみちゃん」だが、今の「みみちゃん」が降板となると、「みみちゃんえほん」を愛読している園では、「おかあさんといっしょ」のうたのお姉さんお兄さんが交代するレベルの衝撃が走るかもしれない。この「みみちゃん」を“懐かしい”と感じるかもしれない未来では、一体どんな「みみちゃん」が“今風”とされるのだろうか。

ちなみに『できた できた トイレ』と『できた できた はみがき』は、ドアを開けたり、鏡に顔を映したりといった、子どもの喜ぶしかけの要素もある。トイレや歯磨きの大切さを伝えるというだけではない工夫がうれしい。トイレ、歯磨き以外にも、お着替え、お風呂、あいさつなど、今後もぜひシリーズで続けていってほしいものだ。


『みみちゃんといっしょ!できたできたトイレ』

『みみちゃんといっしょ!できたできたはみがき』
みみちゃんえほん オフィシャルWebサイト
http://www.oyakocan.jp/mimi/

加治佐 志津
ミキハウスで販売職、大手新聞社系編集部で新聞その他紙媒体の企画・編集、サイバーエージェントでコンテンツディレクター等を経て、2009年よりフリーランスに。絵本と子育てをテーマに取材・執筆を続ける。これまでにインタビューした絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。趣味の書道は初等科師範。

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