繰り返される、寝かしつけからの寝落ち

はーーーっ。またやってしまった。

時計は間もなく23時を回ろうとしている。
今年に入ってから累計何度目か分からない、寝かしつけからの寝落ちだ。


寝室は暖房をガンガンに入れているせいもあって、起きると肌がパリパリなっているけど、暖かくて気持ちいい。もうこの部屋から出たくないけど、歯磨きをするためにのろのろと洗面所へ立つ。

今夜は寝かしつけが終わったら、映画を見ようと計画していたので、お酒とつまみを買っていた。しかし安定の寝落ちで、今から見始めたら就寝が1時過ぎになってしまうし、夜更かしはてきめんに次の日に響くからやめておく。

そもそもそんな気力ももうない。
少し前からネット配信の見放題サービスを利用し始めたので、あれも見たいこれも見たいとウォッチリストに追加しているが、全然鑑賞が追い付かないので、消化されないまま膨らんでいって積ん読ならぬ積ん鑑状態だ。

寝室へ戻って布団へ入り、明日こそは寝落ちしませんように、と目を閉じた。

娘の卒乳から3年近く経つ。毎晩2〜3回は起こされてヒーヒー言っていた授乳期とはうって変わって、一度寝付くと朝までグッスリ眠ってくれる。おむつが外れたあとも、夜中トイレで起きることもない。

保育園に通い出すまでは、夜に仕事をしている時期が続いたが、夜中起きていると、頭が冴えてしまい、その後なかなか寝付けなくて眠りも浅くなる。何より翌日の日中がキツいというデメリットだらけになってしまったので、昼間に仕事する時間が確保できるようになってからは、極力夜はPCを触らないようにと生活習慣を変え始めた。

晴れて、私にも夜の自由時間を満喫できる時が来た！と期待していたのに、ここ1年くらい、特に寒くなってきてからの寝落ち率がどんどん上がっている。先週なんて毎日だったので、もはやため息しか出ない。

それも仕方ないのだ、暖房の効いた部屋、しかも灯りは落としてあって、布団が敷いてある。お風呂も済ませているから体も温まっていて、寝落ちするための条件が揃い過ぎだ。意志の固さどうこうではなくて、そりゃ寝るよね、という感じだ。

保育園の連絡帳には、子どもの就寝時間、起床時間を書いているが、寝落ちしてしまうと、何時に寝付いたのかも分からないから「21時半（多分これくらいだと思います……）」と書いてごまかしている。

連日こんな調子なので、もう書かなくても、私が毎日のように寝落ちしていることを先生たちはそろそろ了承済なんじゃないだろうかとも思う。

数分ウトウトする軽度のものから、一晩中いってしまう絶望的なものまで幅はあるが、寝落ちしてしまうとその後の行動が本当に億劫なのだ。

寝室の乾燥対策のために、夜は室内に洗濯物を少量干すようにしているのだけど、たった数枚でさえ「面倒くさい……」と腰が上がらなくなるほど、寝落ちの効果は絶大だ。

今日はすごく疲れているし、もう一緒に寝てしまってもいいや、と腹を決めてしまうと、ショックはそこまで大きくない。

寝る前は絵本を読んだり、作り話を聞かせるのに時間を充てているのだが、「今日は寝るぞ」という日は、口を動かしながらもうすでに半分寝ているので、自分でも「何か変なことつぶやいているな」と夢かウツツか、の状態でそのまま眠っている。

そう、「寝かしつけてから何かしよう」という欲がなければ、それで済む話なのだ。だけど、やはり話題のドラマも見たいし、たまには読書もしたいし、遠方に住む友人と近況報告もしたい。

夜早く寝て、朝活するという手もあるけど、朝起きるのがツライ季節に早起きするって想像しただけで無理だ。となると、やっぱり睡魔と闘うしかない。でも、いつまでだろう？　娘がひとり寝できるようになるまでだろうか。

娘をひとり寝させてしまえば、寝落ちすることはなくなるだろう。
恐らくそれが一番の近道だ。年中に上がるタイミングくらいから、そろそろひとり寝に挑戦させてみようかな、と考えてみたりもするのだけど、まだまだ甘えたい盛りだから「いっしょにねて！」と抵抗されるだろうし、またひとつ試練の予感だ。

今日は22時からドラマを見る予定にしているから寝落ちしていられない。
寝ないぞ……寝ないぞ……！！

真貝 友香（しんがい ゆか）
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。