発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう

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2017年02月09日 19:14  スタディサプリ進路

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日本の地熱資源量は世界3位 地熱発電への期待は高い! エネルギー問題は、今、そしてこれからの日本にとって非常に重要なテーマ。 石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料は CO₂ を排出するという問題があるし、埋蔵量に限りがあるのでいずれ枯渇してしまう。 一方、その両方の課題をクリアできる原子力は、2011年の福島第一原発事故で、そのリスクが改めてクローズアップされ、今はほとんど稼働していない状況。 そんななか、3・11以降、『再生可能エネルギー』への注目度が一段とアップした。 太陽光発電はもちろんだが、当時はあまり知られていなかった「地熱発電」も報道番組などでたびたび取り上げられたので、覚えている人も多いのでは? 発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/12/chinet_02.jpg) 火山国の日本は地熱資源量が世界第3位。 また、地熱発電は地下の熱で作られた蒸気を取り出し、その力で蒸気タービンを回して発電するのだが、日本はその蒸気タービンに関する技術力もとても高く、日本企業3社が世界シェアの7割を占めている。 日本にとって、地熱発電は相当なポテンシャルを秘めているのだ。 2030年には地熱の発電量を今の3倍に増やす方針 3・11直後と比べると、最近は地熱発電が話題になる機会が減ってきている気がするけれど、決して期待が小さくなっているわけではない。 九州大学で長年地熱発電の研究にたずさわってきた『地熱情報研究所』の江原幸雄さんによれば、むしろ、これからどんどん盛り上がってくるという。 発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/12/chinet_08.jpg) 「2015年、政府は2030年の国のエネルギー源の組み合わせ(=エネルギーミックス)の目標値を発表しました。 それによると、地熱発電は現在の約50万キロワットの3倍となる約150万キロワットにまで増えます。 今までなかなか拡大が進まなかった地熱発電にとって、これは画期的なことなんです」 以前は地熱発電に適した土地でも国立・国定公園では地熱の調査ができなかったが、規制緩和も進んだ。 技術も進化しており、今まさに日本の各地で地熱発電のための調査や開発が進められているところ。 発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/12/chinet_07.jpg) 石油会社、電力会社、地熱発電専門の会社など既存のエネルギー関連会社だけでなく、ソフトバンクやJR東日本など他業種からの参入も広がっている。 地球科学から情報工学まで多様な専門性が融合した分野 さて、このように地熱発電が産業として現実的に盛り上がってくると、必要になるのが“人"だ。 地熱発電は今までがどちらかといえば地味な存在だっただけに、専門家はまだまだ不足気味なのだ。 では、この分野で活躍するためにはどんな専門性を身につければいいのだろう。 発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/12/chinet_04.jpg) 「地熱発電とは、簡単に言えば、地下の熱から生まれる蒸気を利用する発電方法。 そのため、大きく地下と地上とに研究開発の領域が分かれます。まず重要なのが、地下の熱や水の流れを調査すること。 これは、地質学、地球物理学、地球化学などの地球科学が関連する領域ですね。 地下から蒸気を取り出す技術などは資源工学の分野で研究しています」 発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/12/chinet_01.jpg) 一方、「地上」に目を向けると、蒸気を電気に変えるための発電システムの研究開発に関係するのは電気工学や機械工学など。 また、地熱発電所の建設などは土木工学の領域だ。 そのほかでは、環境への影響を調べることも必須なので、環境工学の専門性も必要とされる。 地下の様子や取り出せる蒸気の量などを調べるにはコンピュータシミュレーションが欠かせないので、情報工学も関連性の深い分野だ。 環境問題の解決や地域社会の活性化にもつながる! このようにさまざまな専門的な領域が組み合わさっているのが地熱発電。 研究者・技術者になるためのステップは決して一本道ではなく、自分の好きな分野、得意な分野からかかわっていくことができるというわけだ。 もちろん、高校生と地熱発電を結びつけるのは理系的な興味・関心だけではない。 発電量は2030年までに3倍に! 地熱発電の専門家を目指そう (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/12/chinet_09.jpg) 「環境問題に関心がある高校生にとっても、地熱発電はやりがいのあるテーマになるはずです。 また、地域産業としても期待されているので、地元・地域の活性化に貢献したいと考えている人にもオススメですね」 理系の専門性を生かして社会課題の解決に取り組めるうえ、これから人材ニーズもどんどん伸びていく分野。好きなことで社会の役に立ちたいと考えている理系志望の高校生はぜひチェックしておこう!

このニュースに関するつぶやき

  • 150万kwですか。もっとできそうな気もしますけどね。桜島とかかなり有望では?
    • イイネ!4
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