ソフトバンクの“選手層の厚さ”を改めて検証する

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2017年02月20日 18:12  ベースボールキング

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ベースボールキング

ソフトバンクの工藤公康監督
◆ 3球団競合の高橋純平も1年目の一軍デビューは果たせず

 2月16日、高橋純平(ソフトバンク)が紅白戦で万全の投球を見せた。長谷川勇也、内川聖一、吉村裕基から三振を奪うなど2回をパーフェクト・ピッチング。昨季は、小笠原慎之介(中日)、平沢大河(ロッテ)、オコエ瑠偉(楽天)ら、同世代のドラ1選手たちが一軍デビューを果たしていくなか、2015年ドラフト会議で3球団から1位指名を受けた高橋は一軍出場を果たすことはなかった。

 とはいえ、高橋の二軍での結果が悪かったというわけではない。三軍があるソフトバンクの場合、まずは二軍での出場機会を得なければならないが、高橋は7試合28回1/3に登板と機会は限られたものの、2勝1敗で防御率2.22と好結果を残している。この数字を残した高橋が一軍デビューの切符をつかめないことがソフトバンクの強さだ。

 ソフトバンクの強さに関しては決まり文句のように、“選手層の厚さ”が挙げられるが、高橋のように二軍で好成績を残しながらも、一軍での出場機会がほとんどなかった選手はひとりやふたりではない。彼らの昨季の二軍成績を振り返ってみよう。例えば、投手陣では次のような選手が挙げられる。

嘉弥真新也(2011年ドラフト5位)
二軍:39試 3勝3敗 防2.27
一軍:5試 0勝0敗 防8.59

笠原大芽(2012年ドラフト5位)
二軍:22試 9勝4敗 防2.52
一軍:なし

松本裕樹(2014年ドラフト1位)
二軍:9試 5勝1敗 防3.06
一軍:1試 0勝0敗 防9.00

加冶屋蓮(2013年ドラフト1位)
二軍:29試 4勝3敗 防3.35
一軍:2試 0勝0敗 防4.50

 笠原大芽はチームメートの山田大樹、秋山拓巳(阪神)と並び、リーグトップの9勝をマーク。118奪三振もリーグトップ、防御率2.52はリーグ3位と安定した数字を残しながら、いまだ一軍デビューを果たせないでいる。もちろん、こういう選手は野手にも少なくない。


◆ “右の柳田”ミギータこと真砂勇介もいまだ一軍出場なし

「右の柳田(悠岐)」として「ミギータ」の愛称で親しまれる真砂勇介。その高い身体能力を生かし、打って走ってと結果を残しているが、その真砂も一軍での出場はいまだに果たせていない。スポーツメディアにおいて呪文のように多用される“ソフトバンクの選手層の厚さ”のフレーズは、紛れもない真実なのだ。

 こんな選手がゴロゴロしているのだから、当然チームは強い。二軍ということで注目度は決して高くはないが、昨季のソフトバンクはウエスタン・リーグ史上初となる5連覇を達成している。

 今季は最注目ルーキー・田中正義が加わった。それこそ高橋からすると、またひとりライバルが増えたということだ。高橋のほか、ここに挙げた選手たちが、ソフトバンクの厚い選手層を破り、今季こそ一軍で存在感を見せられるだろうか。

拓也(2010年育成選手ドラフト6位)
二軍:42試 率.323 本3本 点18
一軍:なし

塚田正義(2011年ドラフト3位)
二軍:116試 率.305 本8 点50
一軍:1試 率.000 本0 点0

真砂勇介(2012年ドラフト4位)
二軍:90試 率.295 本7本 点44
一軍:なし

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

このニュースに関するつぶやき

  • ソフトバンクや巨人の選手層の厚さを批判する人が後を絶たないが、長丁場を戦い抜くのにカツカツの戦力よりは厚い方が良いに決まってる。何回も言うが若手が育たないのはその若手にも原因がある。
    • イイネ!3
    • コメント 1件

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