力作揃い!知る人ぞ知る「オタク川柳」の世界

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2017年02月23日 01:00  citrus

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今、もしかすると日本では「川柳」がにわかブームなのかもしれない。すでに「サラセン」とまで略され、完全に市民権を得た感のある「サラリーマン川柳」を筆頭に、「シルバー川柳」「奥さま川柳(おくせん)」「就活川柳」……なんてえのまであるらしい。

 

そんな川柳ブームが席巻する(?)なか、Buzz Feed NEWSが、

 

「サラリーマン川柳」の投票が2月13日に始まりましたが、これに続いて、知る人ぞ知る「オタク川柳」の投票も2月15に始まりました。

 

という気になるニュースを報じていた。

 

「オタク川柳大賞」とは、これまで不勉強な私が知らなかっただけで、今年で開催12回目なのだそう。今回は1万640句の作中から、選考委員会が20句を選出。投票は3月15日までで、結果発表は3月22日に予定されているという。主催者や選考委員会の正体は明かされていないが、1万以上もの作品が集まるってことは、いっぱしのステイタスがもはや確立されているってことだろう。その“継続の努力”には惜しみない賞賛の意を贈りたい。

 

説明するまでもなく、川柳は俳句と違って“季語”を必要としない。が、とくに「おもしろ川柳」の場合、“季語”の代わりに必ず組み込まねばならない要素があって、それは自虐のエッセンスだと私は考える。まずはその大前提を踏まえたうえで、「サラリーマン」「シルバー世代」「主婦」「就活中の学生」……と、それぞれが所属する立場を差別化できるニュアンスを打ち出した作品が望ましい。では、これら「自虐のエッセンス」と「差別化のニュアンス」との鬩ぎ合いを計りながら、今年の「オタセン」の大賞ノミネート作を何本か抜粋してみよう。

 

「君の名は」

聞いてくれたの

ポリスだけ

 

じつに味わい深い秀作である。ただ、「君の名は」があまりに大ヒットしすぎちゃったせいか、“オタクならではのマニアック性”の面では少々弱くなってしまったのかもしれない。オタク資質がほとんどない私でも、持ち前の挙動不審な動作と国籍不明な顔立ちが祟って、よくポリスから職質されるわけだしw?

 

トランプよ

オタクの萌えに

壁はない

 

これも最新の時事ネタを敏感に取り入れた素晴らしい一作である。「オタク発のトランプ批判」といった強いメッセージ性も見え隠れする“問題作”とも言って良い。ただ、(おもしろ)川柳の“季語”代わりである“自虐”が含まれていないがためのエレジー不足が、ゴメス的には残念だ?

 

クハクモハ

サハサロサロハ

キシキイテ

 

申し訳ないのだが、私はコレの意味がまったくわからない。知るヒトが見たら、おそらく「上手い!」と思わず膝を打つウイットが利いているのだろうけど、私らのような門外漢の乏しい読解力を、あとホンのちょっぴりだけ意識していただければありがたい。

 

君と出逢い

沼に落ちる

音がした

 

私個人としては、コレが一番お気に入りだったりする。新しい萌えキャラと出会ったときの“トキメキ”と“今後の不安”が入り交じるアンビバレンツな心情が「出逢い」と「沼」の計4文字で、高次なバランスをもって見事に表現され尽くしている。比較的地味ではあるが、読めば読むほど「じわっとくる」のだ。

 

……と、好き勝手なことを散々書き殴ってきたが、どの作品も渾身の力作であることに間違いはない。主催者や選考委員会だけにではなく、これらの作者の皆さまの才能にも惜しみない賞賛の意を贈りたい。

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