食物アレルギー、母親の約7割が離乳食に悩み

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2017年02月24日 12:02  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

栄養バランスの偏りに不安

 2月20日は、公益財団法人「日本アレルギー協会」が定めた「アレルギーの日」。17〜23日を「アレルギー週間」として、全国各地で啓発活動を展開しています。日清オイリオグループ株式会社でも毎年、食物アレルギーに関する実態調査を実施。今回は、食物アレルギーがある乳幼児を育てる母親100人にアンケートを行いました。

 その結果、約7割の母親が離乳食作りに悩んでいることが判明。食材や献立が偏ることに悩む母親が多く、離乳食作りに苦労している様子がうかがえます。離乳食はおかゆから始めて、少しずつ野菜やタンパク質を増やしていくのが一般的。タンパク質として使い勝手がいい卵や豆腐は、アレルギー症状を引き起こす食材でもあるため、これらにアレルギーがあると使える食材が限られてしまうのが頭の痛いところのようです。

 このほか、外出時の食事や栄養バランス、費用がかかる、調理に時間がかかるといった悩みも浮上。子どもに食物アレルギーがあることで、子どもの栄養面に対する不安はもとより、料理を作る母親にとっても負担が大きいことがわかります。「身近に相談できる人がいない」と答えた母親も少なからずおり、不安を相談できる場所や人の充実が望まれます。

妊娠中の食物除去、効果はなし

 子どもが食物アレルギーと診断される前から、発症を心配していた母親は約7割と多く、このうち35.8%が「発症予防のため、妊娠中や授乳中に特定の食品を食べないようにしていた」と答えています。しかし、「食物アレルギー診断ガイドライン2016」によると、子どもの食物アレルギー発症予防のために、妊娠中や授乳中に母親が食物除去を行うことは推奨されていません。医学的にも効果は認められておらず、過度な心配は不要といえそうです。

 また、地震などの有事に備えて、食物アレルギー対応食品を備蓄しているか聞いたところ、備蓄している人は約4割と半数以下にとどまりました。東日本大震災の際には、食物アレルギーを持つ子どもの保護者から「食べられるものを入手するのが大変だった」という声が多く聞かれたこともあり、非常用持ち出し袋などにアレルギー対応食品を入れておくことをお勧めします。

 今回、悩みが多かった離乳食について、神奈川県立こども医療センター・アレルギー科部長の栗原和幸医師は「離乳食の進みを遅らせることに食物アレルギー予防効果はなく、月齢に沿った一般的な進め方で問題ありません」と説明。「卵不使用のマヨネーズといった除去食品や市販の加工食品を活用することで、献立の偏りや栄養バランス、外出時の食事などの悩みを軽減してくれるでしょう」とアドバイスしています。(菊地 香織)

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