社会人出身、1年目に2ケタ勝利は難しい?

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2017年02月25日 18:11  ベースボールキング

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ベースボールキング

14年新人王に輝いたロッテの石川歩
◆ 00年以降のドラフトで2ケタ勝ったのは誰?

 昨年10月に行われたドラフト会議で山岡泰輔(オリックス)が1位指名を受け、酒居知史(ロッテ)、有吉優樹(ロッテ)、進藤拓也(DeNA)といった即戦力の社会人出身の投手がプロ入りした。社会人出身ということもあり、1年目から即戦力としての活躍が期待される。先発であれば、1年目からローテーションに入り10勝以上挙げて欲しいところ。

 2000年のドラフト以降で社会人出身の投手は231人(育成入団は含まない)いるが、1年目から2ケタ勝利を記録した投手はわずかに2人しかいない。即戦力の投手といえど、先発で1年間ローテーションを守り10勝以上挙げるのはかなり難しいようだ。

久保康友 10勝(05年)
石川 歩 10勝(14年)

 1年目から2ケタ勝利を挙げた投手をみると、05年の久保康友、14年の石川歩と共に、ロッテから指名を受けて入団した投手だ。

 高校、社会人を経てプロ入りした久保は、“松坂世代”のひとり。既に多くの“松坂世代”の投手がプロで活躍していたこともあり、彼らに比べると遅いプロ入りとなったが、その実力は本物だった。プロ初先発となった4月24日の楽天戦で完封勝利を挙げると、5月19日の広島戦から自身7連勝。9月17日の西武戦で10勝に到達した。規定投球回に到達しなかったが、10勝3敗と好成績を残し、同年の新人王に輝いた。

 石川も久保と同じく高校、大学、社会人を経てプロ入り。田中将大、前田健太と同じ“88年世代”で、石川がプロ入りした14年に田中は活躍の舞台をメジャーに移した。遅れてきた“88年世代”の石川は、開幕ローテーション入りを果たすと、コンスタントに白星を重ね10勝をマーク。規定投球回にも到達し、新人王も受賞した。


◆ 2年目以降に活躍した先発が多い

 1年目は即戦力としての活躍を見せられなかったが、2年目以降に先発ローテーションに入り、エースへと成長した投手は多い。

 杉内俊哉(巨人)がそのひとりだろう。01年にドラフト3位でダイエー(当時)に入団し、1年目から開幕ローテーションに入り、プロ初登板・初先発で初勝利を飾るも2勝止まり。1年目はプロの壁にぶつかった杉内だが、2年目に10勝を挙げると、4年目に最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得。07年からは4年連続で2ケタ勝利。巨人移籍後も1年目の12年から3年連続で2ケタ勝利を記録した。日本を代表する先発のサウスポーだ。

 金子千尋(オリックス)もそうだ。04年に自由獲得枠でオリックスに入団した金子は、2年目までに挙げた白星の数はわずかに1勝。3年目の07年に6勝を挙げ頭角を現すと、翌08年に自身初となる2ケタ10勝を記録。同年から4年連続で2ケタ勝利を記録し、10年には最多勝のタイトルを獲得した。その後は故障で悩むシーズンもあったが、14年には最多勝、最優秀防御率、沢村賞、MVP、ベストナイン、ゴールデングラブ賞に輝くなど、投手タイトルと表彰を総なめした。

 その他、内海哲也(巨人)、能見篤史(阪神)、吉見一起(中日)、既に現役を引退しているが清水直行(元ロッテなど)、武田勝(元日本ハム)なども当てはまるだろう。


◆ 1年目から活躍するリリーフ陣

 リリーフは1年目から活躍している投手が多い印象だ。01年に14セーブを挙げた大久保勝信(当時オリックス)、04年にリーグ最多の28セーブを記録した三瀬幸司(当時ダイエー)、09年に最優秀中継ぎ投手に輝いた摂津正(ソフトバンク)、11年に22セーブをマークした牧田和久(西武)などが新人王に輝いている。

 新人王とはならなかったが、石山泰稚(ヤクルト)はシーズン終盤に抑えを務めるなど、60試合に登板して3勝3敗10セーブを記録。翌年には秋吉亮(ヤクルト)が、1年目の14年にリリーフで61試合に登板し防御率2.28と好成績を残した。

 その他、三上朋也(DeNA)、松永昂大(ロッテ)、榎田大樹(阪神)など1年目からリリーフで一軍に登板した投手が多い。

 社会人出身の投手が1年目から先発で活躍することが難しくなってきている中、山岡、酒居といった即戦力投手たちは2ケタ勝利を達成することができるだろうか…。

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  • 僕の頭の中で長冨投手が出てきた(笑)
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