『ジョジョの奇妙な冒険』実写化でもっとも心配なこと

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2017年02月28日 01:01  citrus

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出典:映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』公式サイトより

生誕から30年を迎える荒木飛呂彦氏の人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』を実写化した映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の公開が、いよいよ8月4日にせまり、2月23日、山田孝之(33)が演じる血も涙もない凶悪殺人犯・片桐安十郎(通称:アンジェロ)のビジュアルが発表された。

 

ジョジョの実写化が決定して以来、キャスティングの面でさまざまな賛否両論が飛び交っているが、

 

東方仗助=山崎賢人(※最初は松本潤の予定だったが、作者の荒木氏が「チビ?」という理由で拒否…との噂)

空条承太郎=伊勢谷友介

虹村億泰=真剣佑

虹村形兆=岡田将生

広瀬康一=神木隆之介

山崎由花子=小松菜奈

 

……と、全体的に見れば、なかなか悪くない線なのではないか、というのが私個人の印象である。とくに“難関”とされていた「空条承太郎」の伊勢谷友介は、多少マッチョ度こそ足りないけど、まさに適役だと私は思う。あの承太郎のニヒルさやコワモテ感を演じきることができる20〜30代の俳優は日本だと伊勢谷(すでに40歳らしいが、まあギリギリセーフといったところか?)しかいないとさえ断言してかまわないかもしれない。

 

むしろ私が心配なのは、キャスティングよりも「スタンド」の実写化だ。ジョジョシリーズをあまり読んだことがない皆さまに向け、念のため簡単な解説を加えておくと、「スタンド」とは「幽波紋(ゆうはもん)」とも呼ばれる超能力の概念で、「人間(または動物・生物)の生命エネルギーと精神的エネルギーがキャラクターのデザインとなって具現化されたもの」を指す。ぶっちゃけて言ってしまえば「守護霊」みたいな存在で、漫画上でこのスタンドが実体の人間(または動物・生物)と同じコマに登場する際は、(スクリーン)トーンによるボカシ処理が、ほぼなされていた。はたしてこれを映画(実写)でどう表現するのだろう……?

 

ここで、過去の「コミック実写化映画」の例をなぞるなら、まず『デスノート』のリュークやらレムやらの「死神」が挙げられる。たしか、映画中の彼ら(彼女ら)はリアルなCG処理が成され、スクリーンを自在に動き回っていた。これは原作でも、あくまで死神は“独立した登場人物の一人”という設定だったので、まったく違和感もなかった。実写内に極端なかたちでデフォルメされた漫画的キャラをミックスする手法としては、立派な“成功例の一つ”だと言えよう。

 

しかし! スタンドは、繰り返すが「守護霊」なのだ。基本は憑いている人間(または動物・生物)のすぐ背後や側面や正面に透き通るようなイメージで登場し(実体からかなり遠距離でも活動できるタイプのスタンドもあるのだが)、しかも『デスノート』の死神と比べ、登場頻度も圧倒的に多い。

 

結論として、私はジョジョシリーズ初の実写化を「実写」だと解釈してはいけないと考える。「実写にアニメを取り込む」のではなく、「アニメに実写(=生身の俳優)を取り込む」くらいの発想で臨まなければ、今回の『ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない第一章』は、とんでもない駄作になってしまう可能性も少なからずあり得ると、一ジョジョファンとして猛烈に危惧している。が、キャスティングの充実度を見れば、ついつい期待も膨らんできて……とにかくスタンド問題を軽視だけはせず、一刻も早く素晴らしい実写版を、私らのもとへと届けてもらいたい!

このニュースに関するつぶやき

  • こういう映画で致命的なのは、役者だけでなく、衣装や小道具の嘘くささだ。衣装は衣装でしかなく、小道具は小道具でしかない。日常使いこまれた普段着やガジェットの雰囲気を醸し出すためのリアリティの積み上げが圧倒的に足りない。
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