関西発、笑いの“効果”を医学的に検証

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2017年03月06日 12:02  QLife(キューライフ)

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近畿大学が吉本興業など3社と共同研究

 気分転換したいとき、お笑い番組を見るという方は多いのではないでしょうか。大笑いしたあとは、なんだか気分がスッキリして、嫌なことも忘れられるもの。実際、笑うことで免疫力がアップするという研究報告もあり、笑いは健康にとってさまざまなプラスの効果をもたらしているようです。

 そこで、近畿大学では「笑い」を医学的に検証しようと、吉本興業株式会社、オムロン株式会社、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)の3社と共同研究に着手。年間約2.7兆円とされる精神疾患による社会的損失を笑いの力で解決することを目的に、吉本が持つ笑いの“力”と各社の高い技術力、ノウハウを駆使して、笑いのストレスマネジメントプログラムの早期開発を目指します。

 研究内容は、(1)身体や心理的健康に与える効果を明らかにする、(2)笑いの測定方法の開発、(3)介入後の疾病発症率や生活習慣の変化といった笑いの有効性の調査−の3点。まずは、健康な人を対象に、2018年10月からは精神疾患の患者に対する臨床研究を行う予定です。

“研究”の場は「なんばグランド花月」

 研究は、4段階に分けて実施。各段階男女約20人を対象に、2週間に1回のペースで「なんばグランド花月」などでお笑いを鑑賞してもらいます。鑑賞の前後に心理テストを行うほか、顔の表情の変化やバイタルデータを取得し、効果の解明につなげます。

 顔の表情のデータ測定には、オムロンの画像センシング技術「ヒューマンビジョンコンポ」を活用。表情について、真顔、喜び、驚き、怒り、悲しみの5分類の変化を捉えることができる技術です。また、心拍数などのバイタルデータ測定は、NTT西日本の技術で行います。

 2021年1月の実用化を目指して、(1)近畿大学付属病院での笑いのストレスマネジメントプログラム導入、(2)企業でのストレスマネジメント研修に笑いを活用、(3)ICT(情報通信技術)を使った遠隔でのストレスマネジメントの提供−といったアイディアを検討していくとしています。同大学では「大阪らしい笑いのあふれた新たな治療法を開発することを目指します」と話しており、笑いという“特効薬”が生まれる日がくるかもしれません。(菊地 香織)

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