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「本が売れない」は今に始まった話じゃない!? 活字離れの長い歴史

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2017年03月07日 06:43  ダ・ヴィンチニュース

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ダ・ヴィンチニュース

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 「活字離れ」という言葉を、私が初めて聞いたのは、多分、私がまだ20代の頃。今からざっと30年前のことだ。その頃、「若者の活字離れ」と言われていた、当の若者だった私たちの世代は、既に50代で、今でも「若者の活字離れ」は言われ続けている。つまりは、もう、10代から50代まで、幅広い層で活字離れが起こっているということになる。

■「活字離れ」の歴史は長い?

 そんなバカな、である。本が売れないというのは、もっと前から聞いてる気がするし、実際、いわゆる本好きと呼ばれる一部の人以外は、それほど本を買っていないような気がするのだ、今も昔も。年間100冊読んでれば、随分読んでると思われるわけで、映画好きなら年間100本は少ない方だろうし、今の出版不況というのは、元々売れなかったものが、ちょっと売れた時期があって、もっと売れると思ったらそうでもなかった、というだけのことのような気がするのだ。

 去年、久しぶりに雑誌の売り上げが書籍の売り上げを下回ったというニュースが出ていた。これにしても、41年ぶり、ということで、「雑誌を主力に据える町の書店の苦しさが浮き彫りになった」というけれど、書店が雑誌を主体にせざるを得なかったのは、ベストセラー書籍の配本の偏りなど、出版社や取次のせいだったりもしているわけで、それをもって出版不況と言って良いのかなあと思うのだ。書籍の売り上げは、やや拡大傾向だし、電子書籍の市場は明らかに拡大している。そのあたりのデータの詳細などは、この記事を参考にした。

 文章を書いて生活している私としては、雑誌が売れないのは死活問題ではあるけれど、キュレーションメディアのパクリ問題などもあって、他所のWeb記事に頼らず、きちんと文章が書けるライターに仕事が戻ってきているのも事実。

■いわゆる「大ベストセラー」を買うのは誰か?

 この手の話が出る度に思うのだけれど、そもそも、本にしても音楽にしても、そんなにバカみたいに売れる商品ではなかったと思うのだ。今でも、いわゆる大ベストセラーになっている本やCDは、私の周囲では誰も買っていなかったりして、いったい、どこで売れているんだと思う。

 要するに、これらは、普段、本を買わない、CDを買わない層に売れているということなのだ。中学生くらいの頃から、いわゆる「ベストセラー」と呼ばれる何百万部も売れる本に、読みたい本がほとんどないと感じ続けて今に至る、私のような本好きにとって、ベストセラーは違う世界のお話。それが40年くらい続いてるものだから、大手書店の新館売り場の平積みは、もう最初から見ない、みたいな状況になっている。

 こんな、マーケティングの外側にいるような人間が、何を言っても、遠くから囁いているようなものだけど、それでも、年間何百冊という本を買っているのだ。立派なお客さんだ。そして、私が買う本は、下手すると増刷もされない。別にマイナー好みではないと思うのだけど。

■CDがたくさん売れていた時代の方が、むしろ「特別」

 それは音楽も同じ。かつて、ミリオンセラーなんて年に1、2枚しか出なかった時代があって、CDになって以降、メガヒットの時代が到来した。そして、今、またCDは売れない。つまり、CDが沢山売れていた時期の方が特別だったのだ。しかも、今は、様々な形で音楽に触れることができる。コンセプトアルバムやライブ盤、ベスト盤以外で、フルアルバムを買う人が減っている状況は、かつての、500円のシングル盤が音楽の中心だった時代に戻っただけとも考えられる。「だって、みんなそれほど音楽好きじゃないじゃん」、と、ちょっとマニアックな話をすると嫌がられるものだから、人前であまり音楽の話をしなくなった私は思うのだ。

 本にしても音楽にしても、ジャンルとして扱うには、あまりに範囲が大きくて、本当はひとまとめに扱うものではない。マンガ単行本は未だに書籍に入れてもらえないし、ムックも中途半端な立ち位置だし、自費出版や電子書籍出版も簡単になって出版社の手から離れるようになって、小説と人文書と絵本では購入層は全く違う。

 ついでに言えば、昔から、本にしても音楽にしても、宣伝が全く行き届いていない。書店の店頭になく、ネット書店のトップページに載らない本は、出会おうにも出会う機会がない。売れないのは、当たり前としか言いようがない。それでも、読みたい、聞きたい私たちは、ネットを検索し、本屋を何軒もハシゴするのだ。マーケティングの外から地道に面白いものを探す。その状況は不況であろうと好景気であろうと変わらない。欲しい本が全く入らず、注文したら1ヶ月かかる田舎の本屋に絶望したのはもう40年前のことなのだ。

文=citrus 小物王 納富廉邦

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