社会現象にもなった人気ディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』が3月4日、地上波で初めてフジテレビにより放送され、そのエンディング映像に賛否の声が上がっている。
フジテレビは、特別企画「みんなで歌おう♪アナ雪」キャンペーンとして、1月から一般視聴者に動画を募集。放送のエンドロールでは、テーマソングの『レット・イット・ゴー〜ありのままで〜』に合わせ、募集した一般視聴者や、芸能人・局アナらが歌う映像が流された。それのいったいなにが「賛」で、なにが「否」なのかと言えば、まず「賛」の声は、
「字幕が流れていたので(カラオケみたいで)歌いやすかった」
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「娘が映った! すごく嬉しい!」
……といった論調で、対する「否」の声は、
「ノーカット版を銘打っているのにエンドロールが脚色されている」
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「余韻が台無し」
「素人の歌なんか聴きたくない」
「普通に終われ」
……といった論調、なのだそう。
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私は、この『アナ雪』ってヤツを、映画から今回の地上波放送までに至り、一度たりとも観たことがないので軽々しく迂闊な発言はできないのだが、あえて迂闊な発言を許してもらえるなら「マジどーでもいい」ってえのが率直な感想である。基本、「どーでもいい」ネタをネット上から拾ってきて、そこから話を意味深風に膨らませ、一本の原稿を上げることを信条・芸風とする私が心底「どーでもいい」と断じるのだから、その「どーでもいい感」が如何にどーでもいいか、賢明なcitrus読者の皆さんなら、心中察して余りあっていただけるのではなかろうか?
かまわないじゃん、別に。エンディングくらい、素人の子どもたちが一緒に歌おうが軽部アナが歌おうが。本当に軽部が歌ったのかどうかは知らないけど。そもそも、とことん「ノーカット版」にこだわりきるんだったら、途中でCMが差し込まれている時点で、もうアウトなわけで、それが嫌だったらレンタルショップとかでDVDを借りてくりゃいいだけの話。
実際、フジテレビに直接届いた「否」の声は「電話で19件、ネットで約200件」と、「一部メディアが騒ぎ立てているだけで、じつはたいして話題にもなっていないんじゃないの?」とさえ思わず訝しがってしまう微妙な数字で、これじゃあ「(私も含む)この騒動を取り上げる側」に「暇なの?」みたいな批判が集中するのも無理はない。
そんなことより、私は「局外でつくられた超優良なコンテンツをただ買い取って、1月から大々的な“観てくださいキャンペーン”を張ってしまう」フジテレビの姿勢にこそ、大きな問題があると思う。視聴率は19.7%と、それなりの成功を収めたようだが、この“肝心な部分”の丸投げっぷり、他人任せっぷりにフジテレビの凋落のすべてが象徴されている。たまたま競り落とせた“名画”にそこまで期待するのも……ねえ。
もしかすると、今回の「エンドロールちょいアレンジ」も、そういう気恥ずかしさから目を背けるための“せめてもの小細工”、最後のプライドだったのかもしれない。やはり、“肝心な部分”、すなわち“自局制作番組のクオリティ”を根底からいじっていかなければ、フジテレビに明るい未来は……少なくとも私には見えないのである。『とくダネ!』やら『ワイドナショー』やら、お気に入りの番組もいくつかはあるんだけどさ……。
ところで、私はこのニュースをWeb版のデイリースポーツで初めてキャッチしたんだが、そのタイトルが『「アナ雪」ED問題をフジが説明。批判200件超、肯定的意見も』で、てっきりアッチの「ED」かと勘違いしておりました(^^;)。どんなアナ雪やねん!