意識高い系の人が増えてきている背景にある2つの欲求とは?

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2017年03月12日 14:02  JIJICO

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JIJICO

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「意識高い系」はなぜ増えてきた?


この数年、ネット上で「意識高い系」という言葉を目にすることが増えました。
本来「意識が高い」という表現は、能力が高く知識・経験が豊富で、行動も実績も伴っている人物へのポジティブな評価としての言葉であると思います。
しかし、最近よく使われている「意識高い系」の方というのは、それとはどうも異なるようです。
セミナーや大きなパーティへの参加や、著名な方との関わりなど人脈や友人の数、自分が取り組んでいることへの努力の過程などをTwitterやFacebookなどのSNSへの投稿を通して他者へ過剰にアピールし、其の実、実績も行動も伴っていない人物を揶揄するネット上でのスラング(俗語)として使われているようです。


以前から、一度会っただけの著名な方ととても親しいように話したり、自分が一部関わった大きな仕事を自分が中心で進めたように話したりと、自分を過剰に大きく見せようとする方はおられましたが、近年のSNSの普及によって私生活を他者にアピールすることが容易になり、この「意識高い系」の方が目に付くようになっているのでしょう。


前述のように「意識高い系」の方が自己を過剰に演出して他者にアピールする背景には、「自己顕示欲」と「承認欲求」という2つの欲求が関係していると考えられます。


自己顕示欲と承認欲求 2つの欲求が背景に


「自己顕示欲」とは自分の存在や能力を他者に知らしめたいと欲する欲求であり、「承認欲求」とは自分を他者に認めて欲しいと感じる欲求で、本来誰もが持っている欲求であり、この2つの欲求があるからこそ、人は目的を持ち、行動を起こし、その結果を他者にアピールすることで承認を受け、それが動機付けとなって次のステップへと進んで行ける、人が成長してゆくためには必要な欲求です。


しかし、「意識高い系」の方たちは、この2つの欲求が過剰に肥大し、本来の目的から乖離した行動をとってしまうことで、結果として他者から揶揄されるようになるのです。


例えば自己啓発系のセミナーに参加することは、自覚出来ていなかった自分に気付き、新たな考え方を獲得し、それを仕事やプライベートで実践をして現在よりも良い状態を得るためですし、異業種交流会に参加することは自分が知らない業界の方と交わることで、そこから多様な知識を得て自分自身が向上していくためなのですが、「意識高い系」の方は、セミナーに参加している自分を他者にアピールすることが目的となり、人脈が広がり沢山の方と交流している自分を他者に賞賛してもらうことが目的となってしまいます。


そして本来自分が向上していくために使うべきエネルギーを、「自己顕示欲」と「承認欲求」を満たすために使い切ってしまうので、それだけで疲弊してしまい本当の意味で自己を高めることが出来ないという本末転倒な事態に陥りかねません。


他者の評価を過度に気にしすぎないことが大切


他者からよく見られたいと思うことは自然な感情ですが、他者は複数でその数だけ価値観や性格があり、その全てに評価されることはどんな人にも不可能です。
また他者の評価の有無で自分自身の能力や魅力が変わってしまうわけでもありません。


どの様な自分もしっかりと受け入れて、目の前の課題に精一杯取り組み、その過程ではなく結果をしっかりとアピールすれば、それがどの様な結果であっても認めてくれる人が必ずいるはずです。



(西尾 浩良・心理カウンセラー)

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  • 自分のプロフィールに書くくらいなら、まだ許せるが、他人のコメントに、「私、学者です」とか、書くと、タダのヒマ人にしか見えない。承認欲求満たすために、私なんかに、そんなに認められたいのかね??
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