「男っ気ゼロの世界」塀の中で女囚が考えることといったらアレです

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2017年03月12日 16:04  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

中野瑠美さん

 覚せい剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■塀の中の隠語「トイチ」と「ハイチ」とは?

 突然ですが、「トイチ」と「ハイチ」って、ご存じですか?

 歴史の好きなレキジョさんなら、知ったはるかもしれませんね。元はあの「大奥」で使われていた隠語だといわれています。大奥といえば、将軍様以外の男子は禁制の女の園です。最盛期は3,000人くらいいたそうで、待機でヒマしてる女中さんのほうが圧倒的に多いわけです。若い女性が男っ気ナシで隔離されてるんですから、もう欲求不満はたまりまくります。

 そう、ムショと同じですよね。というわけで正解は、「レズ行為」です。トイチとは「ト+一」で「上」、ハイチは「ハ+一」で「下」を意味します。つまり「上」が攻めるほうで「下」が受けるほうということなんです。あと、ビアン(レズビアン)とゲイの隠語として、「タチ=攻め」(男役)、「ネコ=受け」(女役)、「リバ」(両方OK)というのもあります。

■オンナの嫉妬はマジ怖い!

 シャバの人から見れば「ヒマなんだなあ」とか「ナニやってんだか」という感じでしょうが、中ではめっちゃ真剣で、恋のさや当てもしょっちゅうでした。特にかわいくてうぶっぽいコが入ってきた時はタイヘンです。トイチ同士が「(新人の)○ちゃんは私のものよ!」みたいなことで、ものすごいバトルになっていました。その一方で、髪形を気にしたり、眉毛の形を整えたり……。「お前は売れないホストか(笑)」と思いましたよ。

 私が「被害」に遭ったことも何度もあります。お風呂に入っている時、後ろから近づいてきたトイチに胸をわしづかみにされたり、耳をかまれたりしていました。

 私は被害者なのに、担当に見つかって私まで怒鳴り散らされたこともあります。まあ今思えば、案外楽しかったかも(笑)。こういうセクハラというかエッチなことよりも、嫉妬のほうがイヤでした。

 同房者や看守の目を盗んで、イチャイチャしたり「ピンシャリ」(オナニーのこと)したり……。もちろん全員がやっていたわけではありませんが、いつ見つかるかわからないので、スリルがあるから燃えるんでしょうね。

 え? 私ですか? してないですよ……。出所してからの「懲役処女」を楽しみにしていたので、ムダな気持ちはお預けにしてたんです。そりゃたまーにですけど、抱かれる夢も見ましたよ。でもなぜか毎回、挿れる前に朝になって「起床ーーー」の声ですわ。笑い話ですけど、起きた時は真剣にへこみましたね。

■関係は「塀の中」だけ

 若いうちは性欲もありますが、それよりも塀の中での心細さや寂しさで、そういう行為に走るんじゃないかなあと思ったり。だって、塀の中でそういう関係になっても、出所後も付き合うなんてありえないですからね。これは男性も同様で、獄中で知り合って「兄弟」とか呼び合っていても、出所したら音沙汰ナシがほとんどです。

 男同士の行為も珍しくないそうですが、切れ痔になったりして、女子よりも痛そうですね。オカマちゃんが入ってきたりしたら、奪い合いのバトルになって、「もう大変」なのだそうです。

 あとは、たまにですが、「出所したら一緒に悪いことをしよう」と誓い合って、本当にやってしまうケースもあります。有名なのは、某機械メーカー社長宅の強盗放火殺人事件ですね。犯人の2人は、服役中に知り合って計画を練っていたのだそうです。なんと2人は、この事件以外にも、高齢の歯医者さんなど、金持ちのお年寄りばかりを狙った連続強盗殺人事件を起こしていました。今は、2人とも死刑判決が確定しています。普通は出所したら連絡なんか取らないもんですけど、やっぱりムショという閉鎖的な空間にいると、いろいろおかしくなるんだと思います。二度と行きたくないですね。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

このニュースに関するつぶやき

  • やはり刑務所の中でも性的な関係ができるんですね。
    • イイネ!6
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