WBCアメリカチームも実践!? 褒めるときも叱るときも「個別主義」

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2017年03月14日 14:01  citrus

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第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が始まりました。過去3大会は、日本、日本、ドミニカ共和国が優勝。野球が国技であるアメリカはまだ1度も優勝をしていません。その理由として、メジャーの各チームを預かるGМが、選手を出すのに消極的であることが挙げられます。シーズン開幕の直前という時期的なこと、ケガをされたら元も子もないことなどが大きいですが、今回は少し違います。「やる気」が、です。その証拠は、メンバー28人全員がメジャーロースター40人枠の中に入っていること。そして何よりも、GМにジョー・トーリ氏(ヤンキース元監督)、監督にジム・リーランド氏(マーリンズ元監督)を据えたことです。

 

メジャーリーグの監督は、2つのタイプに分かれます。エリートと非エリートです。エリートとは、選手時代にスーパースターだった人で、非エリートとは、選手時代はメジャーにも上がれなかった人です。そのエリートの“代表”がトーリ氏で、非エリートの“代表”がリーランド氏といえるでしょう。トーリ氏は現役時代に2000本安打を放ち、監督として2000勝を挙げたメジャー唯一の人で、世界一に4度輝いています。一方、リーランド氏はヒザを痛めたためにマイナーの2A止まり(5年で引退)で、メジャー経験はありません。コーチとしてルーキーリーグからの叩き上げでメジャーの監督に登り詰め、マーリンズで世界一になっています。アメリカは、両極端の2人がトップにいることで、どんなタイプの選手にも対応でき、しかも、指導者及び指揮官経験は文句なく豊富であることから、侮れない存在なのは間違いありません。

 

松井秀喜氏も所属したヤンキース時代のトーリ氏は、選手操縦法に長けていました。そうでなれば世界一に4度もなれません。その際たる理由は、徹底した「個別主義」をとったことです。それは、選手を褒めるときも叱るときも、必ず監督室に呼んで、1対1で行ったことです。みんなが集まっているロッカールームで、1人の選手を褒めることは絶対しませんでした。なぜなら、メジャーリーガーはプライドが人一倍高いため、褒められていない選手はおもしろくなく、「何だ、アイツばかり褒めやがって」とソッポを向きます。また、みんなの前で叱られると、プライドが高い分、すぐに心が“折れて”しまいます。同じエリートだったトーリ氏はその気持ちが痛いほどわかるので、褒めるときも叱るときも、監督室に呼んで、1対1の「個別主義」をとり、成功しました。

 

これは、我々日本人にはとても参考になります。会社の部や課の朝礼で、ある社員を褒めたりしますが、この際、褒められていない人の気持ちは考えていません。また、ある社員を叱りながら、その部や課の全員を叱ったりします。これらは逆効果であり、マイナスに働くことが多いと自覚しなければいけません。

 

褒めるのも叱るのも1対1で。兄弟、姉妹のいる子供に対しても同じです。「個別主義」は褒め方、叱り方の“基本”といえるかもしれません。

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