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クラウドで複雑化する運用管理、もう限界 属人化からの脱却法とは

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2017年03月21日 11:54  ITmediaエンタープライズ

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ITmediaエンタープライズ

写真会見に臨むIIJの鈴木幸一会長兼CEO
会見に臨むIIJの鈴木幸一会長兼CEO

 「企業においてさまざまなパブリッククラウドサービスが利用されるようになり、従来のオンプレミスによるプライベートクラウドとのハイブリッド利用も進む中で、これらを統合的に運用管理していくクラウドサービスが絶対に必要だ」


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 インターネットイニシアティブ(IIJ)の鈴木幸一会長兼CEOは、同社が先頃開いた新サービスの発表会見でこう強調した。同社が発表したのは、マルチクラウド化が進む企業のシステム運用を効率化する「IIJ統合運用管理サービス」。まさに鈴木氏が必要と語ったサービスだ。ちなみに、同社が言う「マルチクラウド」には、オンプレミスとのハイブリッド利用も含まれている。


 確かに、鈴木氏が言うようにマルチクラウド環境を統合的に運用管理できるサービスが必要なのは想像がつく。しかし、そこにはさまざまな課題があるようだ。今回、IIJがその課題について説明した内容が非常に分かりやすかったので、ここで取り上げておきたい。


 鈴木氏に続いて説明に立ったIIJの立久井正和 執行役員クラウド本部長は、まず企業におけるマルチクラウドの活用状況について、自社ユーザーの調査結果から、7割以上が複数のパブリッククラウドサービスを併用していると指摘。一方、国内企業における現行システムの稼働環境については、6割超が自社拠点内データセンター、5割超が国内のデータセンター事業者を利用していることが、ITRの調査結果で明らかになったとしている。


 そうしたマルチクラウド化が進む中、立久井氏はマルチクラウドの課題として「ネットワーク」「セキュリティ」「システム運用」の3つを挙げ、「例えば、ネットワークではクラウドごとに接続方法が違っていたり、セキュリティでもクラウドごとに管理の仕方が異なっており、それらを統合して運用するのはなかなか難しい」と説明。図1に示したのが、3つの課題それぞれの要素である。


 ちなみに、IIJはこのマルチクラウドの3つの課題に対し、それぞれに同社ならではのソリューションを展開しているが、ここではともかくマルチクラウドの課題として上記の3つがあり、それぞれに図1に示した要素があるということを認識していただきたい。


●運用における最大の課題は属人化からの脱却


 さて、ここからが核心である。では、マルチクラウドの課題の1つであるシステム運用における課題はどのようなものか。それを示したのが図2である。


 この図では、運用しているシステムとして「オンプレミス」のほか、IIJのIaaS「IIJ GIO」、MicrosoftのIaaS「Azure」およびSaaS「Office 365」が挙げられているが、注目すべきはそれぞれに運用形態が異なっており、“サイロ化”してしまっていることである。この現象は図にあるように、実はネットワークやセキュリティでも起きていることだが、とりわけ運用がサイロ化して問題になるのは、それぞれの運用ノウハウが属人化してしまうことである。


 立久井氏はこの点について、「運用が属人化してしまうと、システム全体としての運用負荷が増加し、費用もかさむことになる。これでは、クラウドを活用してビジネスの課題に対応したアジリティ(俊敏性)を向上させようとしても、むしろオンプレミスだけで運用していたときよりも低下してしまいかねない」と指摘した。


 そこで、そうしたシステム運用の課題を解消するために、IIJが2017年4月から提供を開始するのがIIJ統合運用管理サービスである。同社によると、主な特徴は「マルチクラウドの一元管理」「自動化による運用効率化」「見えない変化と異常への対応」の3つだという。(図3参照)


 マルチクラウドの一元管理では、クラウドサービスごとの異なる管理ポータルやサポート窓口を統一化。また、APIの異なる複数のクラウドサービスから構成やリソース情報を自動取得するため、ユーザーはAPIの差異を意識することなく、管理ポータルで一元的に管理することが可能だという。


 自動化による運用効率化では、年間1000万件以上のアラートを自動処理している実績を生かし、膨大なアラートの中から対応が必要なアラートを分類するフィルタリング機能を提供。また、原因特定に時間を要する複雑な障害であっても、過去の対応履歴を活用して最適な復旧手段をナビゲートすることができるとしている。


 見えない変化と異常への対応では、監視アラートの閾(しきい)値を運用者が設定するのではなく、過去の傾向から常に適切な閾値に自動で設定するため、ディスク容量などの利用傾向が変化した場合もその推移を予測し、余裕を持った通知を実施。閾値監視では気付かないシステムの不調(サイレント障害)を検知することで早期の対処が可能としている。


 鈴木氏は会見で、「新サービスはIIJが創業以来25年をかけて蓄積してきた運用管理技術を結集したもの。まだまだこれから拡充すべき点はあるが、多くの日本企業がシステム運用で頭を悩ませている“属人化”の問題を解消し、コスト削減とアジリティ向上に寄与できるのではないかと考えている」とも語った。すなわち、属人化からどう脱却するかが、マルチクラウド時代の運用管理の大きなカギとなりそうだ。


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