成長するって、親の知らない我が子の一面が増えていくってこと

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2017年03月24日 12:04  MAMApicks

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ある日の夕方、保育園のお迎えの時間が、同じクラスのお友だちのお母さんと重なり、声をかけられた。お互いの近況など少し世間話をして、さあ外に出ようかと靴を履いていたときに、娘を指して「〇〇ちゃんはすごくしっかりしてるよね」と意外な一言が飛び出てきた。

びっくりして「えーーっ?」と声が裏返ってしまった。

その日、お迎えに行くとすぐさま私のところへ走ってきて、そのまま勢いよく部屋を飛び出そうとしていた娘に、「ちゃんとおかたづけしたー?」とたずねてくれたのはそのお友だちのほうだったからだ。

おかたづけした?の言葉にハっとなり、照れ笑いしながらおもちゃを片付けに戻る娘の様子に苦笑していたところだったので、「いやいや、お宅のお子さんの方がよっぽどしっかりしているのでは……」と言いかけたのだが、話をよく聞いてみると、そのお母さんが保育参観した日、お散歩中に右左を逐一確認していた、とのことだった。


「よく周りのことを見ていて感心したよ。ほんと長女って感じ」とまで言われてしまい、まあ長女は長女だよな、一人っ子だから当たり前だけど。確かに気になることがあるとじーっと見てることも多いし、慎重派ではあるな、と状況をなかなか把握できないものの、褒めてもらった言葉はありがたく受け取りたいので、娘には「しっかりしてるねって言われたよ、嬉しいね」と振ってみた。

娘も何のことかはよく分からないけど、ちょっと嬉しい、みたいな顔を浮かべていた。

昨年4月に今の保育園に移ってまだ不慣れな日々、同じクラスの女の子たちは新入りの娘とこぞって手をつないでくれたり、給食を食べるのに隣に座ってくれたりと世話を焼いてくれていた。

同い年にも関わらず積極的にお世話しよう!という姿勢や、物おじせずはきはきとおしゃべりする様子が非常に印象的で、「何てみんな頼もしいんだ……どうぞこれからうちの子をよろしくお願いします」と深々お辞儀をしそうになった。

3歳から保育園に入った我が家は割と特殊で、他のお友だちは大体0歳や1歳から通いだしている。長い期間大人数で過ごしているから、人慣れしているのもあるだろう。また、少子化と言われる中、娘のクラスのお友だちは大半が兄弟のいる子で、送迎の際に兄弟でじゃれあう姿に頻繁に出くわす。

「ほんと家でもこの調子で、ふざけてばっかりなのよー」と話してくれるお母さんもいて、相手が誰でも臆せず自己主張したり、堂々としているお友だちが私には「しっかり」して見えたのだが、第三者からすると娘の慎重なところが、「しっかり」して見えたらしく、一口に「しっかりしている」と言ってもどこでどう感じるかは様々だ。また、自分とは違う角度や視点から見たわが子の姿はとても新鮮に感じられた。

保育園での生活も間もなく丸1年になるが、昨年度、保育ママさんの家庭でゆったりのんびりと過ごしていたのがものすごく遠い日のことに思えるくらい、4月から情報量の多い日々を送ってきた。

おたよりや連絡帳での伝達事項もすべて目を通しているし、朝夕の送迎は基本的に私の役割だけど、それでも、他のクラスの先生や職員さんの名前を全員把握するには至っていない。その一方で、娘を囲む世界がどんどん広がっていて、私が知らない一面がどんどん増えているんだろうなとも思う。

最近、よく「▲▲ちゃんがね」と話してくれるのが実はイマジナリーフレンドということが判明するのに数日かかった。作り話にしてはリアリティがありすぎて、区別がつかなかったのだ。

夫婦にしても、その他家族や友人にしても「他人なんだから分からない」ということを前提にお互いを理解する努力をしましょう、と普段から心がけているつもりだが、子どもに対しては自分とは別の人格だと分かっていても、他人として扱うのはまだ結構難しい。

特に幼少期は何をするにも親のサポートが必要だし、生活は子どもを中心に回っている。食事もお風呂もともにしているし、子どもが起きている時間は自分も起きているから、子どものやることは全部把握しているような気でいる。

だけど、実際には1日8時間も離れているし、その間、日々の成長もある。その中には私には見せていない部分もあるだろうし、親の目に見えている姿が子どものすべてではないんだよなあと感じるようになってきた。この先、どんどんその「見えてない」部分が増えていって、私が知っているのはほんの一部分になっていくのかもしれない。

そういえば子供の成長について「手を離してもいいけど、目は離すな」みたいな格言があったな、と記憶をたどり検索して見つかったのは「子育て四訓」だった。

1.乳児はしっかり肌を離すな
2.幼児は肌を離せ 手を離すな
3.少年は手を離せ 目を離すな
4.青年は目を離せ 心を離すな

今は幼児期、肌は離してもいいけど、手は離してはいけない段階か。

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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