妊娠6週頃から悩まされるのが“つわり”。
つわりとは教科書的に言うと母体の全身の変化、とりわけ消化器症状による食欲低下、嘔吐、唾液分泌増加などを主症状とする生理的な消化器症状を言います。
16週までにはほとんど軽快しますが、つわりの個人差は大きく、ひどい人だと脱水や栄養代謝障害をきたし、これを妊娠悪阻(にんしんおそ)と言います。
今日はつわりが起こる原因や症状別にみるつわりのタイプと対策をご紹介します。
つわりが起こるメカニズムとして一般的に言われているのが、妊娠することによって母体の生体内部環境の変化によるホルモンバランスの変化になかなかついていけないことが原因であると言われています。
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人間にはホメオスターシスといって生体内部環境を一定にする働きがありますので、妊娠生活も慣れてくると徐々につわりが治まってくると考えられます。
ですから、実際につわりが出て来るまでどのようなつわりになるかはわからないというのが現状です。もしかするとそれまでの生活習慣や栄養素の摂取不足等が関係しているのかもしれませんが、医学的には分かっておりません。
(1)食べつわり
これは何かを食べると気持ち悪くなってしまったり、逆に空腹時に気持ち悪くなってしまったりと言うようなものを言います。
こちらは対応策として空腹になる前に少量食べる、のど越しの良いものを食べると言った形で対応して行きましょう。麺類などが良いとされています。
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(2)吐きつわり
こちらは何かを食べる食べないに関係なく、常に吐き気に悩まされてしまうようなものを言います。傾向としては午前中に起こることが多いとされています。
症状を和らげるためにはあっさりしたものを食べたり、炭酸飲料を飲むことで症状が和らぐことがあるとされています。
(3)においつわり
良いにおい、悪いにおいに関係なくにおいによって気持ち悪くなってしまうようなものを言います。
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一番良いのはそのにおいを嗅がないようにするのですが、どうしてもにおいによって気持ち悪くなってしまった時には、そのにおいの発生源から離れてしばらく安静にするようにしましょう。
(4)眠りつわり
消化器症状とは異なるのですが、生体内部環境のホルモンバランスが変化してしまうことによって眠気が出てきてしまうということもあるようです。
このようなときにはやはり無理をしないで眠ることが一番です。仕事をしていて眠ることが出来ない場合には少しだけ休憩を取ってみるようにしましょう。
(5)唾液の過剰分泌
つわりによって唾液が多く出てきてしまうことがあります。しかしこれは害があるわけではありません。ただ、多く出てきた唾液を飲み込んでしまって逆に気持ち悪くなってしまうということもありますので、ティッシュなどでふき取ってあげるのも良いかもしれません。
つわりは妊婦さんの約80%に見られるものです。逆を言えば約20%の方には見られないということが言えます。その違いとして挙げられているのが生活習慣によるもの。
つわり自体には根本的な治療方法はありません。しかし、つわりの時に出されるお薬としてビタミンB6、25mg、1日3回という方法があります。
それによってつわりの時の吐き気が抑えられるというものですが、言い方を変えると妊娠前からきちんとビタミンB6を摂取していればそこまで強いつわりが出ないという可能性も十分に考えられます。
また消化器は自律神経と深い関係があります。緊張すると胃が痛いと言う言葉があるように、自律神経系で調節されているということが考えられます。
妊活中から自律神経系を整えるようにして、同時にアルコールやカフェインは程々に(妊娠中は避けるようにしましょう)、喫煙者の方は禁煙をする、緑黄色野菜を中心とした食生活にするのが良いと考えられます。
【参考・画像】
※ 妊娠中の体の変化 – MSDマニュアル
※ VGstockstudio、Ann Haritonenko / Shutterstock
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【書籍】
※ 坂井建雄、河原克雅(2012)『人体の正常構造と機能 改訂第2版』- 日本医事新報社
【著者略歴】
※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。
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