「私の身体を返して」優生保護法で同意なく不妊手術、女性が国に謝罪と補償求める

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2017年03月28日 16:33  弁護士ドットコム

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本人の同意なく、障害者やハンセン病患者らに不妊手術を行なってきた「優生保護法」(1996年に廃止)についてのシンポジウム(主催:優生手術に対する謝罪を求める会)が3月28日、参議院議員会館であった。16歳の頃に不妊手術をされた宮城県の女性(71歳)が、「手術により、子どもを産めなくされたと聞いてから、苦しみがはじまった。毎日が苦しいです」と涙ながらに苦境を訴えた。


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優生保護法は、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」などの目的で、1948年に施行された。以来、障害者らへの人工妊娠中絶の勧奨や、本人の同意を得ない不妊手術(優生手術)が施されてきた。


中絶や不妊手術の強要・強制は、同法が1996年に「母体保護法」として改正されるまで続き、少なくとも約6万件の人工妊娠中絶と約1万6500件の不妊手術があったとされる。


この当事者女性は貧困家庭の出身。当時の基準で知的障害があるとされ、中学3年生のときに障害者施設へ入所。その後、説明がないまま不妊手術を受けさせられた。手術後は、体が疲れやすくなり、生理のたびに痛み止めの注射が必要になったという。結婚もしたが、子どもが産めず離婚になった経験もある。「私の身体を返してほしいという思いでいっぱいです」


政府は優生手術について、当時は合法だったとして謝罪や補償は行なっていない。女性は、ほかの被害者に向けて、「一人でも多く名乗り出て、(政府から)謝罪と補償を受けてもらいたい。泣き寝入りしないで欲しい」とも語った。


優生保護法への対応をめぐっては、国連など国際機関から厳しい目が向けられている。また、日弁連はこの女性の人権救済の申し立てを受け、今年2月、塩崎恭久厚労相に意見書を提出。優生保護法は憲法13条(自己決定権)、14条1項(平等原則)に違反するなどとして、被害の実態調査、謝罪、補償を行うよう求めている。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • だからと言って、国に損害賠償請求するなよ。損害賠償金はオレたち納税者が負担しなくちゃならないんだからよ。もしするなら、オレたちに喧嘩売ってることになるぜ。
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