涙目で平手打ち! 有村雛絵が完全にメインヒロイン!? 佐久間恒の格好が超絶ダサかった……『CHAOS;CHILD』第11話

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2017年03月29日 19:32  おたぽる

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おたぽる

アニメ『CHAOS;CHILD』公式サイトより。

『STEINS;GATE』などで知られる科学アドベンチャーシリーズ。その第1作『CHAOS;HEAD』(カオヘ)の続編、『CHAOS;CHILD』(カオチャ)のテレビアニメが放映開始となった。原作ゲームも評判が高い本作。本稿では、良作の期待が持てるアニメ版『CHAOS;CHILD』を、科学アドベンチャーシリーズのファンがレビューしていく!



 黒幕は、宮代拓留が父親として慕っていた佐久間恒だった! “始まりの場所”に来るよう言われ、電話が切れた前回。第11話「彼の戦い」の冒頭は、「第二回渋谷平和復興祭」の様子を映す。にぎわう渋谷の街。しかし、そこで聞こえる大衆の声は、心ない言葉だ。



“ニュージェネレーションの狂気の再来”の犯人として報道された宮代拓留が公開自殺をすると予告をした。「我らが宮代拓留神の降臨まで待機」と楽しむ声、「見つけたら殺す」と敵視する声。当事者である、宮代拓留たちの視点からしか見ていない物語も、一般世間では、そんな状態になっているんだと思うとぞっとする。というか、カオチャって最初は事件を部外者として楽しんでいたけど、だんだんと自分が当事者になっていく怖さがあるんだよね。ただこれも、ネタバレ知ると、何とも言えない歯がゆさがあるのだが。



 さて、登場人物たちは、前回のフリージアの事務所から場所を移して、青葉寮に戻っていた。青葉医院の診察室で、2人きりで話す宮代拓留と尾上世莉架。佐久間恒が話していた“始まりの場所”とは、渋谷地震の元凶となった渋谷駅前のプラネタリウムのDNAを引き継ぐ、ヒカリヲのシアターキューブだ。



 ヒカリヲに集まった群衆の前で、声明通りに自殺に見せかけて殺すつもりだと尾上世莉架は語る。そんな彼女に、「なんでお前は、ずっと父さんに従ってたんだよ?」と疑問をぶつける宮代拓留。尾上世莉架は答える。「あの時お前は、自らの生存を助けてくれる私を望んだ。私はそのようにして生まれた。それ以外に優先させる目的など、私には存在しない」。



 おぉ! 思考誘導を受けると、目から血を流すというアニオリ設定がどうなるかと思っていたけれど、尺の都合によるカットがうまい具合に活きている! 原作だと、尾上世莉架がこれまでのことのあらましを話すシーンは、フリージアの事務所で、そこには嘘を見破れる有村雛絵がいた。だから、有村雛絵の嘘発見能力の裏をかくために、自ら思考誘導を受け、それが真実だと誤認している状態で、尾上世莉架は話す必要があった。だが、有村雛絵がいた前回のフリージアのシーンでは、尾上世莉架は「私はお前に生み出された存在だ」としか言っていないし、今回は有村雛絵がいないところで話している。つじつま合わせ、計算しているなぁ〜。



 細かいところだけど、このアニメ版は、描けるところは、全力で丁寧な描き方をしていると思う。中でも筆者的に気に入っているのが、オープニングだ。来栖乃々の正体が南沢泉里だと明らかになった後の第9回では、来栖乃々が南沢泉里に変ったし(ちなみに、公式サイトのトップのイラストも、第8話が終った後に来栖乃々が南沢泉里になっていた)、尾上世莉架がイマジナリーフレンドだったことが分かった後の今回では、幼いころの宮代拓留と尾上世莉架がパソコンに向かう場面で、傍らにいた尾上世莉架が消えていた。気の利いた演出は、ファンとしてもうれしい。(だからこそ、話数が少ないのが悔やまれるのだよ)。



 傷の手当を終えた尾上世莉架は、佐久間恒と対決するため、ひとりヒカリヲへ向かう。が、宮代拓留に尾上世莉架から電話がかかってくる。「ひとつ言い忘れたことがある。お前の両親を殺したのは私だ」と。何故そんなことを言い出したのか分からない突然の告白に戸惑う宮代拓留。しかし、尾上世莉架が宮代拓留の生存を目的として生み出されたなら、避難所で再会した両親を殺すことはマイナスにしかならず、つじつまが合わない矛盾であることに気付く。尾上世莉架の目的が、自分を活かし続けることではないと考えた宮代拓留は、ヒカリヲに向かうことを決意するのだった。



 と、「バカ言わないで! 何カッコつけてるんですか!」と、涙目で平手打ちする有村雛絵!!! かわいい……。かわい過ぎる! 有村雛絵って、最初はノリの軽い(……というか、チャラい)イマドキの女子高生かと思っていて、敬遠していたけど、ストーリーが進むうちに、すごくいい子だというのが分かってくるキャラ……というか、アニメではさらにそれが(いい意味で)強調されていて、どうみても完全にメインヒロインなんだよな。回を追う毎に、ヒロイン感がどんどん出てきて、この別れ際のシーンも、キュンと来るよ。このアニメ版で、有村雛絵を好きになったアニメ勢には、ぜひ有村雛絵ルートをプレイしてもらいたいものだ。ラストが本当に切ないから!!!



 宮代拓留が向かった、ヒカリヲのシアターキューブは、青葉寮の家族にとって、思い出の場所だった。碧朋学園への入学祝いに、家族5人でやって来た場所。ゲームでは宮代拓留の独白の回想だったけど、アニメで“動く”回想として見ると、生きている橘結衣がやるせない……。佐久間恒も、“いいお父さん”していているし。家族の描写がこれまで少なかっただけに、ここにきてのこういう描写はずるいとしかいえない。



 そして、シアターキューブで、宮代拓留は佐久間恒と対峙する(なお、その佐久間恒の格好が超絶ダサイことには、触れないでおく)。



 人ひとりをリアルブートするほど「ぶっ壊れていていた」宮代拓留が、どこまで狂えるか見たかったと佐久間恒。自分が面白いと思うことのためだけに、これまでの悲惨な事件を起こしたと言う。そのマッドサイエンティストぶりに、怒りをあらわにした宮代拓留は、ディソードを手にし、切りかかった。しかし、サイコキネシスの力を使い、佐久間恒の持つ端末を破壊しようとしたものの、逆に思考誘導によって、精神攻撃を受けてしまう。「ウッドバーン・ヘロンは知ってるか? 楽しく壊れろよ」。



 え? 最終回、一歩手前は、ここで終わり!? 確かに、続きが気になる終わりかただが、残り30分でTRUEルートまで描くのだろうか? ちょっと心配になってきたぞ。カットされている部分は大幅にあれど、“カオスチャイルド症候群”の伏線も多少出ていたし、「SilentSkyEnd」をみせてこそ、カオチャの物語の完成度の高さを思い知らされるのだから、アニメでもしっかり描いてもらいたい。



 共通ルートの「OverSkyEnd」とTRUEルートの「SilentSkyEnd」では、カオチャに対する印象も全然違う。TRUEルートはゲームで! とか、本当のエンディングはDVDの特典で! とかだと、アニメ勢の評価が変ってしまいそうだから、ぜひともオンエアでやってほしいなぁ。
(文・桜井飛鳥)


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