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新入園・入学の時期、ランドセルや給食など新たな生活に胸を弾ませているお子さんも多いと思いますが、給食といえば毎年のように話題になる“給食費未納問題”。
未納額は4,500万円にものぼるとされています。
正しくきっちり払っている方がバカバカしくなるほど、未納者問題が後を絶ちません。未納家庭はみすみす見逃されているのでしょうか?
弁護士である筆者が解説します。
給食費未納額が増えている要因は、
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(1)親の経済的困窮(シングルマザー問題を含む)
(2)経済的困窮者が教育扶助あるいは就学援助制度を知らない
(3)本来払う資力があるにもかかわらず払わない親の増加
このように大きく3つに分けられるでしょう。
そして、給食費未納問題の批判は、このうち(3)本来払う資力があるにもかかわらず払わない親に対して向けられているわけです。
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学校給食法(という法律があるのです)上、保護者には給食費の支払義務がありますので、支払わない親には法的手続(債権回収)を採ったり、給食供給契約の解除を行ったりすることが可能です。
しかし、給食費を払わない親のためにお子さんが給食を食べられないという事態は、親の責任をお子さんに負わせることになるほか、児童の最善の利益を害するものであって、児童の権利条約にも反することになるとの指摘があります。
したがって、第一次的には、払える資力があるにもかかわらず給食費を支払わない親に対しては債権回収手続を採り、経済的に困窮し本当に支払えない親に対しては生活保護や就学援助制度の利用を促すということになります。
大阪市や千葉県浦安市などの一部の自治体では、実際に弁護士が債権回収業務を行い、給食費の徴収を行っています。
なお、立法論としては給食費の無償化という方法もあり、傾聴に値します(付言すると、現行法上、給食費の強制徴収が違法・違憲であるとして給食費の支払を拒むことはできません。)。
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文部科学省の調査によると、給食費未納の主な原因について、学校側は、保護者としての責任感や規範意識の問題と認識している回答が一番多いようです。
給食費未納問題を責任感や規範意識の問題であるとひと括りにすることの当否は別としても、学校給食や日々の食事がお子さんにとって重要であるという認識を持たない方が増えているのかもしれませんね。
【参考・画像】
※ 学校給食費の徴収状況に関する調査の結果について – 文部科学省
※ 学校給食費の徴収状況に関する調査の結果について(概要)- 文部科学省
※ SpeedKingz、Leszek Glasner / Shutterstock
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【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。
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