話題の抗がん剤「分子標的薬」に関する実態調査を楽天が実施

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2017年04月14日 12:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

肺がんや乳がんの患者さんの間で浸透


画像はリリースより

 1人当たりの医療費が年間3500万円という超高額の抗がん剤「オプジーボ」。膨らむ社会保障費を抑えるため、国が薬価を“半額”にしたことも話題になり、がん患者さん以外にも広く知られるきっかけとなりました。オプジーボは、がん細胞にある特定の物質のみをターゲットにする「分子標的薬」という種類の治療薬で、一部の皮膚がんや肺がんなどに使われています。

 昨今、さまざまながん種に対する分子標的薬が開発されており、がん治療における位置づけ、役割が高まっています。オプジーボのほかにも、副作用による間質性肺炎が社会問題となった「イレッサ」などの分子標的薬がメディアで取り上げられる機会も増え、患者さんのみならず社会全体の関心も高まっています。

 楽天リサーチ株式会社では、がんで医師の治療を受けた20〜60代の男女1,066人を対象に、分子標的薬の浸透状況を調査。分子標的薬の名前を聞いたことがある患者さんが最も多いのは肺がんで65%、次が乳がんで54%となりました。また、「医師の説明を受けたことがある」と「現在服用している」でも、肺がんの患者さんが最多となり、多くの分子標的薬がすでに使用されている肺がん領域において、ある程度浸透している状況がうかがえます。

医療保険、還付額が半額未満という人も多く

 分子標的薬は、その性質からがん細胞以外の正常な細胞への悪影響が少ないのが特徴です。しかし、間質性肺炎や肝機能障害など命にかかわる重篤な副作用や、皮疹や口内炎、下痢など適切に対処しなければQOL(生活の質)に多大な影響を与え副作用が発生する可能性もあります。現在服用していると回答した患者さんが、医師から受けた説明も、副作用に関するものが88%と高くなっています。このうち、説明を、「わかりやすい」、「信頼できる」と答えた人は6〜7割台にとどまっており、今後の課題といえそうです。

 気になる医療費負担額をみると、月額5万円以上が半数を超えています。内訳は、「5万円以上10万円未満」が30%、「10万円以上20万円未満」が17%で、「20万円以上」にのぼる人も6%います。医療費などが還付される保険に加入している人は6割ですが、還付額が半額未満という人が多く、重い治療費負担を強いられている患者さんも多いようです。(菊地 香織)

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