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ビンス・マクマホンが“世界征服”に成功した日――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第336回(2001年編)【完結】

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2017年04月21日 09:04  日刊SPA!

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写真2001年3月26日、それはビンス・マクマホンがついに“世界征服”を実現させた日だった。月曜夜の連続ドラマ“マンデー・ナイトロ”は最終回を迎え、WCWも12年5カ月の歴史に終止符を打った(写真はWWEオフィシャル・マガジン2001年6月号表紙より)
2001年3月26日、それはビンス・マクマホンがついに“世界征服”を実現させた日だった。月曜夜の連続ドラマ“マンデー・ナイトロ”は最終回を迎え、WCWも12年5カ月の歴史に終止符を打った(写真はWWEオフィシャル・マガジン2001年6月号表紙より)
 それはビンス・マクマホンがついに世界征服に成功した日だった。

 WWEのライバル団体WCW(ワールド・チャンピオンシップ・レスリング=ジョージア州アトランタ)は、2001年3月26日、フロリダ州パナマシティー・リゾートで開催されたテレビ撮りをもってその12年5カ月の短い歴史にピリオドを打った。

 月曜夜のTVショー“マンデー・ナイトロ”の番組オープニングと同時にビンスの自信に満ちた笑顔が画面いっぱいに映し出された。

「WCWの運命……その運命は、わたしの手のなかにある」

 WCWの“マンデー・ナイトロ”(TNT=ターナー・ネットワーク・テレビジョン)にチャンネルを合わせても、WWEの“ロウ・イズ・ウォー”(TNN=ザ・ナショナル・ネットワーク)にチャンネルを合わせても、そこにはビンスが立っていた。

 月曜夜のふたつのプロレス番組はその夜、二元生中継になっていた。ビンスは「わたしはWWEのオーナーであり、WCWのオーナーでもある」と宣言し、カメラをにらみつけた。

 WWEはこの3日まえ(2001年3月23日)にWCWを買収した。買収金額についてはさまざまな憶測が流れ、当初は430万ドル程度ではないかと推定されたが、じっさいにはそれよりもさらに安い250万ドル(約2億7500万円=当時)だったことがあとになってから判明した。

 WCWの親会社AOLタイム・ワーナー社は、年間6200万ドル(約68億円=当時)の赤字をタレ流していた“プロレス事業部”の切り離しを断行した。

 前年12月、WCWのもともとの親会社にあたるTBS(ターナー・ブロードキャスティング・システムズ)の新CEOに就任したジェイミー・ケルナーは「局イメージにそぐわない」としてターナー系各チャンネルの番組編成表からすべてのプロレス番組を“削除”してしまった。ビンスはWCWの“下取り”に手をあげた。

 3.26“ナイトロ”パナマシティー・リゾート大会をもって“ナイトロ”は突然の最終回を迎えた。1995年9月から5年6カ月にわたりつづいてきた“月曜TVウォーズ”はじつにあっけなくその幕を下ろした。

 第1試合の開始直前、スーツ姿のリック・フレアーがリングに上がり「ビンス・マクマホンはわれわれをコントロールすることはできない。WCWはグレート・カンパニー」とコメントし、アンチWWEの立場を明らかにした。

 TVマッチ第1試合にはWCW世界ヘビー級王者スコット・スタイナー対USヘビー級王者ブッカーTのダブル・タイトルマッチがラインナップされ、十八番ブックエンドでスタイナーを下したブッカーTが“世界最高峰NWA”の流れをくむふたつのヘビー級王座を統一した。

 ブッカーTがこの日、腰に巻いたフレアー・モデルの黄金のチャンピオンベルトはその後、“世界ヘビー級王座”としてWWEのリングで復活することになる。

 メインイベントではフレアーとスティングが“最後の一騎打ち”をおこない、かつてのドル箱カードはスティングがスコーピオン・デスロックでフレアーからギブアップ勝ちを奪った。

 試合終了後、ふたりがリングのまんなかで抱き合ったシーンがWCWのジ・エンドThe Endだった。

 メインイベント終了後、シェーン・マクマホンがリングに上がり「WCWとの契約書にサインをしたのはこのわたし。WCW新オーナーはマクマホン。そう、シェーン・マクマホン」とコメントすると、巨大スクリーンのなかでビンスは「WCWは解散。ゴミ箱に捨てる」とこれに応じた。

 メジャー団体WCWの消滅という歴史的事件は、いつのまにか父ビンスと息子シェーンの“親子の断絶ドラマ”に化けていた。

 ビンスとシェーンの対立というシチュエーションはもちろんWWEソープオペラのワンシーン。アメリカのレスリング・ビジネスは、ついにWWEによるモノポリー体制となったのである。

 番組のエンディングでは“マンデー・ナイトロ”のロゴのすぐ下に「グッドナイト・アンド・グッドバイGOOD NIGHT AND GOODBYE」という文字が大きく画面に映し出された――。(おわり)

☆『フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー』は今回をもって終了となります。長いあいだ、ご愛読ありがとうございました。GW明けの5/8からは新連載コラム『フミ斎藤のプロレス読本』がスタートします。どうぞお楽しみに――by 斎藤文彦

文/斎藤文彦 イラスト/おはつ

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