「『シンポジウム』って言葉の響きがエロイよね。あと、『スタンディングオベーション』もなんかやらしい感じがするよね」
「『抱かれたい男ランキング』1位でも、街中で「抱いてください」と言ってくる女は、今まで一人もいなかった。だから意味はない」
これは、歌手の福山雅治さんがラジオ番組で発言したもの。イケメンは何を言ってもイケメンですね(笑)。
ファンの間では「下ネタ好き」として知られる福山さんですが、ここでちょっと素朴なギモンが。そもそも下ネタを人前で言うことには、脳にどのような効果があるのでしょうか?
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まず1つ目の効果は、「ひらめく脳」の下地作りにもってこいだということです。
下ネタは、普通の何気ないひと言を、違う視点で捉えて、生殖器や性行為などを想起させる言葉や動作による表現に変化させることで、新しいアイデアをひらめきやすい脳ではないと思いつくことができません。すなわち、下ネタを考えるということは、新しいアイデアをひらめく作業と言い換えることができるのです(以前、私の記事で書かれていることを自然と実践しているようなものなのです)。
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現役脳神経外科医が教える“アイデアをひらめきやすい脳”にする、たった3つの習慣
そして2つ目の効果は、「メタ認知」が鍛えられます。
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「メタ認知」とは、自分自身の考え・感情や周りの状況を客観的に評価してコントロールすること。簡単に言うと、自分自身の活動を空の上から神様の目線で見るようなことです。
下ネタは、相手と場所と場面を選びます。ですから、「こんなときにこんな話をしたら、凍りつくんじゃないか」というように自分を客観的に評価する「メタ認知」が重要になります。「メタ認知」を活用して、クスリと笑えるような下ネタをタイミングよく話せる判断ができれば、その場を和ませることができます。
私たちの「メタ認知」は、脳の一番前部にある前頭葉の、さらに前半分にある「前頭前野」が担っています。前頭前野は、人類が最も進化した部位で、他の動物と比べても人類が大きく発達しています。
下ネタを考えて発言するときに一番気をつけなければならないことは、「この話を聞いた人はどう思うだろうか?」という発想を持つことです。上手に使えば周囲をリラックスさせる効果の高い下ネタですが、思いつくたびに節操なく発言するのは、まったくもってよくありません。好感度の上がる下ネタ(?)というのは、「メタ認知」を意識して、理性的に振る舞いながら発言するものなのです。
ただ、一般に下ネタは下品なものと見なされているので、好き嫌いは大きく分かれるもの。前述の下ネタも、あの福山雅治さんが言うから許されるのでしょう。
私としては、場を和ませたいのであれば、下ネタと同じく「ひらめき」と「メタ認知」が必要となる「おやじギャグ」のほうをおススメします。おやじギャグなら、場を凍りつかせるだけで済みますが、下ネタだと、女性に一生嫌われる可能性がありますから……。