「自宅がいちばんストレスです」
ため息まじりにそう吐露する男性達を多く見かけます。彼らはたいてい働き盛りのビジネスマン達です。仕事で疲れ、ストレスを溜めて帰宅。夫婦関係を維持するため、心を殺しストレスを上塗りする日々。いい夫でなければいけない。いいパパでなければいけない……。彼らはみな“あるべき病”に縛られています。その結末は、蓄積した怒りが爆発して妻を殴ってしまったり、あるいは言われっぱなしで鬱的な症状になったり、妻と同じ空気を吸うことすら嫌になり突然の強行離婚をする人も珍しくありません。
さて、ここで大切なことがあります。それは夫婦関係も適度に人権とプライバシーと本音を主張したほうがいいということです。いい人をやめたほうが夫のストレスも減り、夫婦お互いにとって良い展開が訪れるのです。今回はいい人をやめることで夫婦関係をさらに良くする方法についてご紹介したいと思います。
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■いい人ぶらずに気持ちを小出しにする
いい人ぶって「ケンカしない」「ぶつからない」「妻から何を言われても包容する」といったように自分を殺して我慢してきた夫が突然、妻の顔を見るのも嫌になり、逃亡同然で離婚を申し出ることがあります。「もっと小出しに互いに意見をぶつけあい、ガス抜きをすればよかった」それが彼らの反省の言葉です。ケンカとまではいかなくとも、思っていることを小出しにぶつけ合う、そんなスタンスを意識してみましょう。大爆発で夫婦関係が木っ端微塵に崩壊する事態を防ぐことができます。奥さんの意見も聞く機会になり、互いの負の感情が中和されます。
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■自分の縄張りを死守するのが幸せのコツ
妻の機嫌をとろうといつも顔色を伺う日々。このときあなたの心には実は想像を絶するストレスが蓄積されています。飲み会に行ったら悪いかな? 自分だけ趣味の時間を持ったら悪いかな? 読書している暇があったら、語らいの時間をつくったほうがいいかな? そんなふうにビクビク過ごす。そんな「いい人」スタンスから卒業しましょう。2人でいつも一緒にいて当たり前。そういう状態をつくると逆に「1人時間」が目立ってしまいます。「互いに自分の時間も大切にしよう!」そう言葉にだすことで、一緒にいる時間が逆に特別になります。自分の縄張りをしっかり守らないと、そのうちあなたの心が持たなくなります。妻との時間にもときめきを感じなくなってしまいます。互いに自分の時間を持つこと。それは2人にとって良いことなのです。
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■「いいかげんにしろ!」 ときにガツン!と言うことも必要
話し合いの最中に話が飛び、戻って来ない。あるいはわめいたり、絶叫したり、コミュニケーションがとれない状況に暴走する妻。妻はあなたの愛情が欲しいのです。そんな妻を抱擁しときには「わかったよ」と後ろから抱きしめてあげることだって必要です。しかしこれにも限度があります。お互いに理性のある大人。家だからといってすべて容認、つまり甘やかしすぎてはあなたの身が持ちませんし、子供にも悪影響です。ダメなものはダメ!ときには「いいかげんにしろよ!」と思い切り強く言うことも大事です。これだけ怒っているんだぞ!というスタンスを示すのも男であるあなたの責任です。包容力だけでは解決しないケースは珍しくありません。甘やかされて育った相手にはよいお灸になるはず。
■距離をおくことで互いの心は安定する
顔を見れば怒りが沸く。これも夫婦によくあるシーンの1つです。これを解決するのが距離と時間です。互いの創造性あふれるビジネスライフのため、さらには健全な子育てのため、さらには不毛な時間を人生の時間のなかから追い出すため、距離を置くこともときには必要です。ケンカが止まらない。そんなときは家を飛び出す。何と言われようと距離を置く。そして互いに創造的な時間をつくる。互いの人生を前進させることです。ケンカのたびに人生が止まるのは無駄、互いの人生の足の引っ張り合いでしかありません。だから距離をおくのです。会わないことで互いの心が安定し、創造的で友愛に満ちた人生の時間が刻まれるのです。
いかがでしたか?思いやりがあって、トラブルが嫌いで、世間体も気になる、妻を幸せにしなければと思っているあなた。そんなあなたこそ、そろそろ旧来のスタンスを検証する時期かもしれません。すこしだけいい人をやめてみませんか? 前向きな残酷さを心に抱き、意味のある破壊の覚悟を抱き、目前の苦痛と戦ってみてください。あなたの夫婦時間に安寧の時が流れることをお祈りしています。