CMでよく耳にした「やればできる子」。あの言葉、実は要注意

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2017年04月26日 17:00  citrus

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子どもが一気に、やる気になる魔法の言葉を教えてください!

 

そう言われたことがあります。もう何年も前のことですが、う〜ん……と悩んでしまったのを覚えています。言葉だけで人を動かすのは難しいと、私は思っていますが、とはいえ、言葉にも大きな力があります。皆さんも、誰かからかけられた言葉で、励まされたり、やる気になれたり、あるいは、一気にやる気を失ったり、腹が立ったりしたことがあるでしょう。

 

さて、そこで、今日、皆さんに気をつけてほしいな、という言葉を一つ、ご紹介します。

 

それは、「やればできる」です。

 

え?少し前は、よくCMで耳にしましたけど?

 

ですよね。実際、私も、時々、子ども達に言ってしまうことがあります。が、これは、やはり要注意な言葉です。

 

ちょっと気をつけてみると、わかっていただけると思います。やればできる、ということは、今はできていない、ということです。つまり、励ましてはいるけれど、現状の否定がスタートということなのです。敏感な子は、その前提を理解し、「私って、ダメなんだ」と、思ってしまいます。一般的には、それほど気にすることではないのです。

 

たとえ、今がダメでも、何度かやっているうちに、成功を体験し、「だいじょうぶ。できるようになった!」と、自信をつけていくからです。ですから、「やればできるよ」と、声をかけてはダメというわけではありません。

 

気をつけたいのは、敏感で、繊細な子です。こういう子は、人一倍、わかってもらいたいし、認めてもらいたい。でも、うまくやれなかったらどうしよう……と、人一倍、失敗を想像して、動けずにいます。

 

そんな子に、「やればできるんだから」と声をかけると、

 

「だよね。やっぱり、今のボクはダメなんだよね。やっぱり、お母さんはそう思ってたんだ」

 

と、そこまで思ってないよ!というレベルまで、どんどん、自分を責めていきます。

 

そんな子たちの心のメカニズムに気づいてから、私は、「だいじょうぶ。できなくても平気。いや、普通はできないよ」と、声をかけることもしています。

 

この声かけのいいところは、

 

・できなくても平気、という前提を教師が示した。

・よ〜し!普通はできないことをやってやるぞ!という気になる子が出る。

 

などがありました。

 

まあ、あの手この手ですね。絶対にうまくいく言葉もないし、絶対にダメな言葉もありません。いろいろ、試していきたいですね。

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