■デンマークの飲酒運転の罰則が超厳しい
住みやすいといわれている北欧の国・デンマーク。2014年の交通法の改正により、飲酒運転で捕まった場合、乗っていた車をその場で没収されるようになったそうです。没収した車はオークションにかけられ、売り上げは国庫に入るとのこと。そして、車を没収されるだけでは終わらず、運転免許の剥奪、さらには最低でも月収1か月分の罰金が課せられるのだとか。非常に厳しい罰則が施行された結果、飲酒運転による死亡事故が半分に減ったそうです。
■どこからが「酒気帯び運転」なのかは国ごとに違う
これだけ聞くと、デンマークの飲酒運転管理は「超・厳しい!」という印象です。「日本もそれくらいやらないとダメだ」「デンマークの厳しさを見習え」となりそうですが、どこからを「酒気帯び運転」と定義するかを示す血中アルコール濃度は、デンマークが0.05%、そして日本は0.03%。道路交通法で定められた基準では、日本はデンマークよりもむしろ手厳しいのです。
酒気帯び運転として取り締まる血中アルコール濃度は、国ごとに違います。ヨーロッパでは、デンマーク同様0.05%とする国が多い中(例:イタリア、フランス、オランダ、ベルギー、フィンランドなど)、ドイツやスイスのように、運転経験や年齢によってはゼロとする国があったり(例:ドイツでは免許取得後2年以内、21歳以下は0%と設定)、デンマークと同じ北欧のノルウェーやスウェーデンでは0.02%とさらに低く設定されていたりと、もっともっと厳しい国はたくさんあるのです。デンマークの飲酒運転の取り締まりは、基準自体はむしろ平均的で、その後の罰則が厳しいと言えそうです。
■飲酒運転の取り締まり×国民性
そもそも、飲酒運転を厳しく取り締まらざるを得ない背景には、その国の「飲み方」の習慣が関係しているように思います。デンマークが「車没収」のような斬新な罰則を採択したのは、国民全般が飲み過ぎる傾向があるからでしょう。デンマークが位置する北欧は、その文字通り、北極圏に近い寒い国。一般的に、寒い国々は強いアルコールを飲む習慣があり、経済協力開発機構(OECD)加盟国を対象とした1人あたりのアルコール消費量の国別ランキングでも、デンマークは世界5位。お酒を非常によく飲む国なのです。だから、デンマーク人的な「飲み」では、ほろ酔いと言われる0.05%レベルは軽く超えてしまうため、法律や罰則で厳しく取り締まる必要があるのでしょう。普通に飲めないから、取り締まる、自然な流れだと思います。
これは日本にも言えることではないでしょうか。日本は北国ではありませんが、「飲み」を主体にしたコミュニケーション、俗にいう「飲みニケーション」があります。フランスやイタリアはワインが有名ですが、あくまで食事のお供としての役割であって、一気にグラスを空けるような飲み方はしません。そもそも「飲み会」という言葉自体も存在しません。一方の日本は、飲む頻度自体は、おそらくフランスなどよりも少ないと思われますが、一気飲みやハシゴ酒など、体内のアルコールを急速に上げるような飲み方をしてしまいます。
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