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<ビー・ジーズの名曲「ステイン・アライヴ」が、イギリスやドイツでは人命救助に役立っている。そのリズムが心肺マッサージにピッタリで、ドイツの学校では印税免除となった>
1977年のアメリカ映画『サタデー・ナイト・フィーバー』は、若きジョン・トラボルタの特徴ある風貌と決めポーズで世界中の若者に「ディスコ・フィーバー」を巻き起こした、70年代の名作だ。
この映画の主題歌、ビー・ジーズの歌う「ステイン・アライヴ」は、以後もテレビドラマやコマーシャルで現在に至るまで頻繁に使われているが、イギリスやドイツではなんと人命救助に役立っているようだ。
イギリスではユーモラスなビデオで心肺蘇生法を紹介
トラボルタが黒のスーツに赤シャツでブルックリンを闊歩する映画冒頭シーン、その背後でかかる音楽が「ステイン・アライヴ」だ。「ア、ア、ア、ア、ステイナライヴ、ステイナライヴ」という甲高い歌声に聞き覚えがあるかもしれない。実は、この「ア、ア、ア、ア」のリズムが、心肺マッサージにピッタリということで注目されているのだ。
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イギリス心臓病支援基金BHFもその効果を認めている。同基金は、イギリスの元サッカー選手で現在は俳優のヴィニー・ジョーンズを起用し、マフィア風の男がドスを効かせた声で、ディスコのリズムに合わせてCPR(心肺蘇生法)を紹介する面白おかしいビデオをホームページに掲載。アウェアネスを高めようとしている。
ドイツでは、学校の救急処置の授業では印税免除に
一方、公共の場での同曲の使用にはふつう著作使用料が発生するが、今月12日、ドイツで音楽著作権を管理する団体GEMAが、CDU(ドイツキリスト教民主同盟)のロイ・クゥーネ議員に、学校で30人以下の生徒に救急処置を教える場合、同曲の使用は公共のパフォーマンスにあたらないとして、印税を免除することを決定した。
フランクフルター・アルゲマイネによると、自身も水難救助員で、有志人道救命組織ディー・ヨハニターに参加したこともある同議員は、学校での心肺マッサージの練習にはリズミカルな音楽が効果的で、とくに「ステイン・アライヴ」が最適ということで、GEMAに申請中だったという。
印税免除は南ザクセン州の同議員の町、クラウスタール・ツェラーフェルトの学校に認められたが、同ルールはドイツの他地域の学校にも適応されるようだ。しかし、曲を流すのは「学校の建物の中で、授業の最中だけ」とGEMAは強調している。
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ドイツでは早くから学校単位で取り組み
ドイツでは早くから、学校で子供たちに心停止時の蘇生法を教えることに取り組んできている。心停止はドイツの死因で3番目に多いが、正しい処置を知っていれば救命できる可能性が高いからだ。
2014年には52人の専門家が集まり、心肺蘇生法によって毎年1万人の人命救助を目指すことに決めた。ケルン大学病院の麻酔学・可能一次救命措置クリニックのディレクター、ベルント・ベッティガーは、心停止のケースの60%から70%は少なくとも1人の同伴者の前で起こるにもかかわらず、心肺蘇生法が行われるのはたった17%しかないと、シュピーゲルに伝えている。また、その多くは家庭で起こる。
マドンナの「ライク・ア・プレイヤー」、ビートルズの「イエロー・サブマリン」、AC/DCの「ハイウェイ・トゥ・ヘル」なども心肺マッサージにいいらしい。毎分100〜120のビートが適するようだ(BBC)。
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モーゲンスタン陽子
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