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40歳、会社員の女性です。妊活を始めて5年、今だ授かることができません。流産はもう何度繰り返したでしょうか……数える気力すら湧きません。
最近では、公園にいる親子すら憎く思えます。「私はできないのに、なんでこんな人が!」と。いけないことだとは、わかっています。自分本位で、そんな卑しい感情が芽生える自分が許せません。
激しい自己嫌悪に陥ってしまいます。子どもができない辛さ、それにくわえて卑しい感情による自己嫌悪。辛いです。こんな思いを抱えてるのは、私だけなのでしょうか?
3年間にも及ぶ不妊治療の末に、40代でようやく子どもを授かった『俺たち妊活部―「パパになりたい! 」男たち101人の本音』の筆者・村橋ゴローが自身の妊活体験を元に今まさに妊活中の方の不安の声に応えていきます。
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今回は、不妊治療が続く中で湧き上がる“負の感情の対処法”についてです。
長い期間妊活をしていれば、多少なりともそういった感情が芽生えるのは仕方がないと思います。自分はこんなに努力していて授かれないのに、20代の後輩から「できちゃったんですぅ〜」と言われて、心の底から「おめでとう!」と言えないのは、当然です。
あなたはマジメなんですね。「羨ましがってはいけない」「他人の芝生を青いと思ってはいけない」と自制心が強いのでしょう。だからこそ、強烈な自己嫌悪に陥るわけです。
ですから少しくらい他人をディスったって、罰が当たるものではありません。もちろん、心の中でディスるぶんには。
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僕が不妊治療中に嫌だったのが、友人の出産祝いを買うことでした。幸か不幸か近所にアカチャン本舗があったので、友人に子どもが生まれるたびに行っていました。アカチャン本舗のような場所は、子どもが生まれた人にとっては天国、妊活中の人にとっては地獄の場所と言えるかもしれません。
例えば、普通に見れば
「たくさんのオモチャを前にはしゃぐ子ども、それはたしなめるパパママ、そんな光景についつい財布のひもが緩む、おじいちゃんとおばあちゃん」。
しかし妊活中だった僕には、そんな光景が
マナーのなってないガキども、それを真剣に止めようともしないバカ親、サイフと化したジジイとババア
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こう映っていたのです……。
そして、たくさんの親子で賑わう店内を見渡して、こうも思っていました。
なんでこんな育ちの悪そうな夫婦には子どもができて、俺んとこにはできねえんだ
いま考えれば、思いつく限りの罵詈雑言、言いがかり、被害妄想。心で思っているだけとはいえ、我ながらどうかしてます。
しかしこうやって心の中で暴言を吐くことで、意外とスッキリすることができていました。そしてアカチャン本舗を後にするころには、すでに心のリセットもできていました。「治療を頑張る妻を、明日からも支えよう」と。
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この世のほとんどの人は、聖人君子ではいられません。僕もあなたも、そうでしょう。長いこと生きてると辛いことや悲しいことが増え、心に澱も溜まります。それはたぶん、便みたいなものです。定期的に吐き出し、排泄する必要があるのだと思います。
そして何より気になったのが、相談者の文章の中にダンナの「ダ」の字も出てこない点です。妊活は、夫婦ふたりで行うもの。実質的な治療を受けるのは女性ですが、精神的なケアも含めた“妊活”という意味では、やはり夫婦で行うものだと思います。
たぶん、相談者はそれらすべてをひとりで抱え込んでしまっているのでしょう。だから文章にダンナが現れてこない。治療で辛いことや嫌なことがあったら、ぜひダンナに本音をブチまけてください。
ひとりで泣かず、ダンナの前で泣いてあげてください。人に甘える勇気をもってください。心の便秘は、大病の前兆。きっちりとした排泄ができれば、今までのように人を羨むこともなくなると思いますよ。
しかし、アカチャン本舗のくだりで「このゴローという人は口が悪いなあ」と思った方がほとんどでしょう。心の排泄でいうと、僕は慢性的な下痢なんだと思います(笑)。
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※ Diego Cervo、 Elena Schweitzer / Shutterstock
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【著者略歴】
※ 村橋ゴロー・・・72年、東京都出身。大学生のときライターデビュー。以降、男性誌から女性誌、学年誌など幅広い分野で活躍。千原ジュニア、田村淳、タカアンドトシ、次長課長、高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の不妊治療奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社刊)が好評を博す。また主な構成/著作に、『すなわち、便所は宇宙である』シリーズ(千原ジュニア著・扶桑社刊)、累計200万部突破した『GO!GO!バカ画像シリーズ』、『裏モテの秘策』(ともにKKベストセラーズ刊)などがある。結婚以来11年間、炊事・洗濯・掃除をこなす兼業主夫でもある。
◎5月28日(日)品川で行われる、東京最大級の妊活イベント『私らしく、妊活』に、パネラーとして登壇します(入場無料)。ぜひお立ち寄りください!
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