“断捨離”はなぜ難しい? 中学生のかばんが重すぎる問題

6

2017年05月27日 01:00  citrus

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

citrus

写真

今、中学生のかばんが、やたら重くなっているらしい。ネット版の西日本新聞にそういう風なことが書いてあった。

 

タイトルは「【学校のギモン】なぜこんなに重い? 通学かばん10キロにも…教科書、ゆとり時代の1.5倍」。記事内からいくつか要点となる部分を抜粋してみよう。

 

「なぜ重いかばんを毎日持って、登下校しないといけないのでしょうか」。福岡市の中学生の保護者から、そんな声が(西日本新聞の)教育取材班に寄せられた。学校の指定かばんに教科書やノート、さらにはプリントをとじるファイルや問題集などを詰め込むと、10キロにもなるのだという。


(中略)学校の指定かばんは、大人の会社員がよく使っている「一泊二日出張用」サイズ。縦37センチ、横18センチ、高さ32センチでナイロンのような素材だ。(中略)「入学したてのころは、体がゆがまないよう、両肩で持つよう言ってました」と母親。かばんには、リュックサックのような両肩用の取っ手、肩掛け用のひもがあるが、両肩で持つのは年頃の女子たちに「ダサイ」と不評。(中略)荷物が重いなら学校に置けばいいとも思うのだが、学校現場ではこれを「置き勉」と呼び、禁止しているケースが少なくないという。


(中略)福岡教育大学の図書館に行き、2002年から本格導入された「ゆとり教育」のころの教科書と、学力強化に向け学習内容が増えた現在の教科書を比較してみた。(中略)すると「ゆとり」時代は1.8キロだったのに対し、現在は2.6キロと約1.5倍になっていた。07年に全国学力テストが復活してから、学力志向が強まり、ファイルにとじるプリントも増える傾向にある。(後略)

さて。話は少々飛躍するのだが、昔、とあるナンパ師から「かばんが大きくてパンパン状態の子は即ヤリできる確率か高い」みたいな“ジャッジの目安”を聞いたことがある。「いつでもお泊まりできる準備ができている」「なんでもかんでもかばんに詰め込む子は必要or不要の判断ができない優柔不断な性格」……あたりが、その主な根拠だったと記憶するが、そして、ヤリマンと女子中学生を同列で比較するのもなんだとは思うがw、とくに男子より体力的に劣る女子が、パンパンのかばんを持って重力に逆らいながらも健気に歩く姿には、繁華街でも通学路でも、どこか痛々しさがただよってくるのも、またたしかである。

 

いっそノートパソコン一冊だけを持たせ、それに教科書もプリントも全部ブチ込んじゃってペーパーレス化を図ればいいのに……とも思わなくはないのだけれど、口で言うほど簡単にはいかないのだろう。家庭の貧富の差を是正するためノートパソコンの機種を一律化してその費用は国が負担するとか、パソコンの授業を本格的に導入するとか……不可能ではなさそうだが、まだそれはだいぶ先のことのような気もする。そもそも、現場では今でも「教科書やノートや資料はあくまで紙で」といった“非効率”を教育の一環として推奨しているフシも見受けられる。私は「ゆとり教育」には、あきらかに反対の姿勢を示す派の一人なんだが、本格的に学力強化を目指すなら、そこらへんの“かばん問題”についても、あとちょっと前向きに対処していくべきなのかもしれない。

 

……なんて偉そうなことを上から目線で語るかくなる私も、かばんはいつもパンパンだったりして、なぜなら「家で原稿を書けない」がゆえ街を放浪し、目に着いた喫茶店に入ってノートパソコンに向かうノマドスタイルを貫く私としては、“一つの入れ忘れ”がときに致命傷となることもあるので、ノートパソコンから充電器からイヤフォンからルーターから紙のノートからプリントアウトされた資料から原稿参考用の本から電車で読む用の本から筆記用具から歯磨きセットからおやつからペットボトルのそば茶から、なんでもかんでもかばんにブチ込んでしまう“だらしないおっさん”だったりする。だから、教育に携わる人たちの、なかなか“断捨離”に踏み切れないファジーな心情はちょっぴりわからなくもないのである。ガンバ!

このニュースに関するつぶやき

  • 夢がいっぱい詰まっているから重い。以上。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(4件)

前日のランキングへ

ニュース設定