2020年、大学入試が変わる! 今から身につけるべき3つのチカラとは
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2017年05月30日 18:43 スタディサプリ進路
2020年から、大学入試の内容が大きく変わるらしい!
といっても、みんなにとってはまだまだ先のこと?
ところが、どうやらその2020年を見すえて、大学の先生や高校の先生は、「テストのやり方」や「授業のスタイル」を今から少しずつ変えていこうと、すでに動き出しているのだそう…
だからこれは、みんなにも思いっきり関係があることらしい!
じゃあ、いったい何が変わるんだろう?
「知識」だけでなく「思考力」「判断力」「表現力」も身につける
これまでは学校の勉強といえば、授業でいろんな「知識」を学ぶことが中心だった。
でも、これからは知識だけでなく、授業で「思考力」「判断力」「表現力」まで鍛えて、そうした力が身についたかもテストで確認していくようだ。
「え。やらされることがまた増えるの?」とげんなりした人がいるかも。
でもご安心を。
入試や授業を変えようとしている一番の理由は、勉強をより「楽しい!」「もっとやりたい!」というものにするためなんだ。
「とかいって、結局、大変になるだけでしょ?」と思った人もいるのでは。
今回は、変化を先取りした小中高生向けの教育プログラムをすでに行っている、イマジネックス (https://imaginex.jp/)代表の町田来稀さんにお話を聞いてみた。
本当に勉強が楽しくなりそうか?
様子をちょっとのぞいてみよう。
イラッとする身近な問題を解決しよう!
「僕たちのプログラムは、社会人向けだったものを小中高生向けにアレンジしたもので、一方的に先生の話を聞くのではなく、実践的な活動を通して学びを深めていきます」
そのプログラムで使用されている手法は、ハーバード大学やスタンフォード大学など名門大学の教育プログラムでもすでに活用されている。
実際どのようなプログラムなのか見てみることに。
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見学したプログラムの参加者は、いろんな学校から集まった中学生のみんな。
初めにやったことは、3〜4人のグループで、自分がイライラを感じる身近な問題を共有することだった。
例えばあるグループはこんな感じ。
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--Q.最近イラっとした問題は何がある?
A.シャーペンの芯を入れ替えるのがいつも大変でイライラする!
次にその問題の根っことなる原因をチームメンバーと一緒に掘り下げていく。
--Q.何で芯の入れ替えって大変なんだろう?
A.うまく入れ口に入れられない。
ていねいにやっても芯が折れちゃう。
--Q.何で上手く入れられないの?何で簡単に折れるの?
A.芯を入れ替える入れ口が小さいから。
何度も「なぜ」をくり返し聞き直すことでいろいろな原因がみえてくる。
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--Q.で、どうすればその問題を解消できる?
「ぶっとんだアイデアこそ大歓迎!」とされ、みんなで自由に発想タイム。
いくつものアイデアのなかでみんなが「いいかも」と思ったのは――
A.横からパカッと開けて芯を入れられるシャーペンはどうかな?これなら入れ口も大きくとれるし折れなくなるかも。
↓↓↓↓↓↓
じゃあ、そのアイデアを形にしよう!
段ボールで思い描いたシャーペンの試作品を作り、さっそく形にしてみる。
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形にしたものをほかのグループにみてもらうと新たな気づきが生まれる。
「横が開くとすでに入っていた芯が飛び出ない?」
ほかのグループの人からもらった意見を反映し、さらに改良を加える。
改良が加えられた製品を最終発表し、またみんなから新たな改善点をもらう。
これにて、プログラム終了。
チームでアイデアを考えたり、それをダンボールとかで実際に形にするのは楽しそう。
でも「実際に何が学べるの?」と思った人がいるかも。
「チームメンバーとの話し合いでいろいろな視点にふれて、自分の“思い込み"から抜け出すこと。
問題の原因を深く掘り下げたうえでアイデアを生むこと。
そんな力を身につけてほしいんです。
社会に出たら、ペーパーテストのように『用意された問題に対して一つの正解を答える』のではなく、『何が問題かを自分で発見し、誰も答えを知らないことをみんなで考える』ことが増えるからです。
さらに、社会に出たら意見や価値観が違う人たちと協力しながら問題を解決しなければいけません。
プロジェクトを軸にしたワークショップでは、多様な人たちと新しい製品を作る過程で、コミュニケーション能力、共感力、判断力などを必然的に発揮します。
またチームで作った新商品を人にわかりやすく説明するためには発表力や表現力も活用します。
聞いて学ぶのではなく、実践を通さないと学べないことがたくさんあるんです」
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今後は、高校の授業でも、こうした「正解が一つではないことをみんなで考える」ことが増えるようだ。
「そういえば最近、授業中にグループで話し合ったり、テストで自分の考えを書いたりすることが増えたなあ」
ってことはない?
今、サバイバル脳が働いた!脳のしくみを知ると、学びがさらにスムーズに!?
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でも、みんなの前で発言したり、じっくり考えたりするのが、苦手な人だっているのに。
実はそんな人にこそ、町田さんは「脳のしくみ」のことを知ってほしいそうだ。
「最初はうまくいかなくてもいいんです。初めて自転車にのった時ってグラグラしてこけそうになったり、実際転んだりしませんでしたか?
でも何度も練習を重ねて今ではあまり考えずにも自然に自転車に乗れますよね。
それと同じで、発言することも、深く考えること、何度も挑戦すれば、脳の中で『その行動に必要な回路』が新しくできて、その行動が実行しやすくなっていきます」
そうはいっても、「みんなの前で発言するのはやっぱり怖い…やったことないし」とためらう人も、きっといるはず。
それもあんまり落ち込まなくていいという。
「脳の一部には、今までやってきたとおりの行動をくり返そうとする部分があるんです。
それは未知の危険を侵さずに生き残るためです。
それは生命の生存において大切な機能で、ぼくらはその脳の部分をわかりやすく“サバイバル脳"と呼んでいます。
一方で脳には、新しいことにも挑戦してみよう!と新しいものの『可能性』に着手する脳の部分があります。
こちらは“成長脳"と呼んでいます。
どちらもとても重要な役割を果たしています。
問題はサバイバル脳がいろいろな場面で過剰に反応し、新しい挑戦を遠ざけてしまう傾向にあることです。
この傾向を気づくことが意識の切り替えに役立ちます。
みんなの前で話すとき、不安や緊張を感じている場面ではこれは “サバイバル脳"が過剰に反応しているんだと認識し、深呼吸する。
簡単な行為ですが、“サバイバル脳"から“成長脳"に意識的に切り替えていくには効果的な方法の一つです。
自分の中でどっちの脳が活動しているのかを自己認識し、少しずつ新しいことにも挑戦していけます」
問題解決でドーパミン全開!
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話し合いやじっくり考えることになじんでくると、ある課題について「こうしたらどうかな?」とひらめいたときや、手がかりをみんなで見つけたとき、脳内ではおもしろい映画を観たときと同じくらい、ドーパミン(快楽物質)が出るのだとか。
そんな、「考えて発見して学んでいく楽しさ」を、町田さんはたくさんの人に感じてほしいそうだ。
先生たちが入試や授業を変えて目指そうとしているのも、そこなのだと思う。
だからキミも、入試や授業が変わるのを見こして、ぜひ「思考力」「判断力」「表現力」を自分でも鍛えてみよう。
例えば、身のまわりで課題に思うこと(困っていることやイライラすること)について、「これってどう思う?」と友達と言い合ってみる。
「何でイライラするんだろ?」「どうすれば解消できる?」と考えてみる。
その考えたことをみんなでまた話し合ってみる。
慣れないうちはきっと面倒。
でもそれがいつしか楽しくなってきたなら、しめたもの。
これからの時代のテストにも、鍛えたその力をじゃんじゃん発揮できるはずだ。
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《プロフィール》
町田来稀
イマジネックス (https://imaginex.jp/)代表。
米ブラウン大学生物学部人間生物学科卒。
ボストンで生まれ、23年間アメリカとシンガポールで過ごす。
卒業後はC型肝炎のワクチン開発の研究に取り組んだあと、日本初の全寮制インターナショナルスクール(ISAK)の立ち上げに参画。
25年間アメリカの名門校でリーダーシップと脳科学を教えてきたデイヴ・モーケルらと一緒に、教育プログラムを開発。
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