9割近くが、受動喫煙に不快感
5月31日は「世界禁煙デー」。国内でも、2020年の東京五輪に向けて、受動喫煙対策の柱となる法案の最終調整が行われています。規制対象となる飲食店の規模をめぐり、意見が分かれていますが、飲食店の店内が“完全禁煙”になる日が来るかもしれません。
他人のたばこの煙を吸い込んでしまう受動喫煙は、たばこを吸わない人にとっては不快なものです。特に、子どもへの影響が心配だというお母さんは多いことでしょう。株式会社エムティーアイは、子どものいる女性(妊娠中も含む)6,780人を対象にアンケートを実施。その結果、母親の87.8%が受動喫煙を「不快」と感じていることがわかりました。
不快と感じる理由(複数回答)のトップは、「子どもへの健康被害がありそう」で約8割。次が「自分への健康被害がありそう」の54.7%で、母親たちは、自分よりも子どもへの影響を第一に考えているようです。ほかにも、「子ども(胎児)の発育に影響が出そう」、「子どもが煙で苦しむ」と、子どもに関する理由が目立ちました。
画像はリリースより
歩きたばこに厳しい視線
飲食店(バーやスナックを除く)での受動喫煙については、屋内禁煙を望む声が34.0%と最も多く、次いで、個室化による分煙が29.4%という結果でした。壁やカーテンなどによる分煙を選んだ母親は3.2%と非常に少なく、母親の大半が禁煙、もしくは完全に近い分煙を希望していることがうかがえます。
また、路上での受動喫煙防止対策について聞いてみると、6割以上の母親が「指定場所以外では禁煙」を選択。ただ、屋内と違って、煙をさえぎるものがない路上でも、2割近い母親が「全面禁煙」と厳しい規制を求めています。なかでも、歩きたばこに関する目は厳しく、受動喫煙の心配はもとより、たばこを持つ手が子どもの顔の高さであることから、やけどの危険性を訴える母親が多くみられました。
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アンケートの回答者には、たばこを吸う母親も含まれていましたが、「自分も喫煙するが子どもがいるときは吸わない」など、たばこを吸う母親でも、子どもがそばにいるかどうかを気にかけているようです。東京五輪まであと3年。受動喫煙対策は必要ですが、一方通行の議論ではなく、吸う人も気持ちよく過ごせる環境整備が理想と言えるかもしれません。(菊地 香織)
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