ぎんなんの食べ過ぎはキケン!何個までなら大丈夫?

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2017年06月02日 18:00  citrus

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■ドライベジをおやつに食べる女性が急増中!

 

秋ですね。私の住む横浜でもぎんなんが色づき始め、特有のにおいが鼻をつくようになってきました。市内をめぐる観光バスに乗車すると「踏まないように」とアナウンスが流れるほど(笑)。でも、ぎんなんって、においに臆することなく下準備をしたくなるくらい、ホントに美味しいんですよね。

 

また最近は、健康ブームに乗ってドライベジ(乾燥野菜)をデスクで食べているというOLさんが増えているようです。チョコレートやクッキーを食べるよりも食物繊維が多いし、低カロリーのものも多いので、栄養士としては、このブームはブームで終わらずに定番化してほしいと思っているところです。

 

そんな中「ドライぎんなん」が美味しくてつい食べすぎてしまうけれど、ぎんなんって食べ過ぎるといけないんじゃなかったっけ? というご質問を頂戴することが増えてきました。

 

 

■ぎんなんには「毒」がある!?

 

ぎんなんは古くから薬や食材として用いられてきましたが、実は食べすぎると中毒を起こします。有毒成分は4-メトキシピリドキシン(4-MPN)という物質です。4-MPNはビタミンB6と構造がよく似ているため、ビタミンB6が結合して働く場所へ誤って結合してしまいます。そのため、ビタミンB6が本来の仕事をすることができず、中毒症状が起こるのです。4-MPNは乾燥ぎんなん1gに約100mcg含まれています。主な中毒症状は嘔吐と痙攣で、ぎんなんを食べてから1〜12時間後に発症し、90時間以内(半数は24時間以内)に回復します。しかし、大量に食べ過ぎてしまった場合の死亡例も報告されていますから、あなどれません。

 

ぎんなん中毒はどのくらいの数を食べると起こるかというと、小児で7〜150個、成人は40〜300個と言われています。体内でビタミンB6の邪魔をする物質が有毒成分なので、ビタミンB6が体内にどれくらいあるのかや基礎疾患で変わってくるのでこれだけの開きがあるというわけです。

 

とりわけ、子どもは身体が小さいため中毒症状を起こしやすいのですが、ぎんなんを60個食べた4時間後に嘔吐、下痢、両腕のふるえを起こした41歳の女性などの報告もあります。ビタミンB6欠乏が著しい場合には、40個も食べていないのに中毒になるということも十分、考えられます。気づいたらドライベジのぎんなんを一袋食べ切ってしまい中毒になってしまった……、などということにならないようご注意を。

 

また、中毒症状になってしまった場合には、痙攣を起こしやすくなるのでむやみに吐かせようとしてはいけません。おかしいなと思ったらすぐに受診するようにして下さい。

 

 

■安全な食品でも秋を楽しむことはできる

 

ぎんなんの有毒成分は煮ても焼いても消失しません。そのため、ぎんなんを安全に食べる方法は「数を減らす」こと以外にありません。それではおやつはチョコレートやビスケットに戻せばよいかというと、それももったいない話です。

 

秋はぎんなん以外にもたくさんの味覚があります。おやつに適した秋の味覚といえば、まずは女性人気が高いフルーツ。ブドウ、梨、柿、栗など。栗は加熱の必要がありますが、梨や柿は皮をむくだけで食べられますし、ブドウは皮ごと食べられるものもあります。手軽でビタミンも豊富に含まれているのでおすすめです。

 

次におすすめなのが、これまた女性に人気のさつまいも。蒸かして食べても、サラダや煮物にしても美味ですね。食物繊維とビタミンCをたっぷり含んでいます。ビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、さつまいもに含まれているビタミンCは加熱しても消失しにくいと言われています。食べないなんてもったいないですよね!

 

もう1つ、忘れてはならない秋の味覚はきのこ類。最近では工場で水耕栽培されるため季節感が薄れていますが、きのこ類も天然ものは秋が旬です。きのこは「おやつ感覚」からはずれてしまいますが、カロリーが低く食物繊維がたっぷり含まれているのでダイエット希望の女性にはぴったりです。お気に入りの味覚を食べられるのは嬉しいことですが、秋にはたくさんの味覚があります。いろんな秋の味覚を堪能して、もっともっと食欲の秋を楽しみましょう。

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