日本人は面と向かって褒めることが苦手な人が多いことを受けて、「三角褒め」を取り上げさせてもらいました。第三者を使って褒める手法ですが、「これなら……」と共感して頂いた人が多かったみたいです。
そこで今回は、もう少し、褒め方を掘り下げてみたいと思います。
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■直接褒めるよりも効果的な褒めテクニック
「隠し褒め」という手法があるのをご存知ですか。直接的に褒めているわけではないのに、直接褒める以上に“褒められている”と思わせる手法です。ここでは簡単に使える2つの「隠し褒め」をご紹介します。
1つは、「また」です。たとえば、誰かと食事をしたとき、とても楽しかったとします。仕事をしたとき、とてもうまくいったとします。「また」はこう使います。
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「また食事をご一緒しましょう」
「また仕事を一緒にしたいですよね」
相手への感謝の気持ちを表すばかりか、相手を上手に褒めたことになります。このように言われて、嬉しくない人はいません。これが「隠し褒め」です。「またお話を聞かせてください」、「また誘ってください」、「また飲みに行きたいですね」と様々なバリエーションがあり、気軽に使えます。メールにこの1行があれば、“次”につながっていきます。
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もう1つは、「教えてください」です。日常会話の中で「教えてください」を褒め言葉として使えるケースはけっこうあります。相手が少し自慢めいたことを言ったとします。そのタイミングに「ぜひとも教えてください」と問いかけます。自尊心をくすぐられた相手は、「では、喜んで教えましょう」となる確率が高いのです。「また〜しましょう」と同様に、「教えてください」と乞われて嫌な気はしないのが人間だからでしょう。
「また」、「教えてください」という「隠し褒め」。まず、褒めること、そして、褒められて嬉しくない人はいない、ということを頭に入れておけば、この「隠し褒め」は意識的に使うことができ、コミュニケーションはうまく回り始めます。そうすれば、イライラは軽減され、悩んでいた人間関係も修復される可能性が高まります。