「怒る人」は損! メンタルヘルスのプロが教える、「怒り」と上手に付き合う方法

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2017年06月05日 17:00  citrus

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■怒ったあとはスッキリするけれど…そのあとが大変!

 

イライラ気分が高まったとき、感情のままに「怒り」をぶちまけるとスッキリ――。でも、ちょっと待ってください! そのあと大変なことになっていませんか?

 

本人はスッキリしても、その感情を浴びせられる側はたまったものではありません。いつしか周囲の人も距離をとられ、人間関係が壊れてしまいます。それだけではありません。最初は「イラッ」だけの感情が、話しているうちに「憎悪」へと発展し、気がつけば1時間も2時間も怒り続けてしまうことがあります。これを仕事の場でやった場合、悪質なパワハラとしてたいへんな問題になってしまうかもしれません。

 

これらを総合して考えると、「怒る人は損をしている」と言えます。では、怒りに振り回されず、怒りに支配されないように生きていくには、どうすればいいのでしょう?

 

 

■怒りは自然現象。自然をコントロールするのは無理!

 

感情は、そこに注意を向ければ向けるほど高まっていきます。したがって、イラっとしたときに「怒ってはダメ」「スマイル、スマイル!」と自分に言い聞かせても、怒りに触れている間は、ますます怒りを意識してしまうのです。

 

ちなみに、わが国発祥の心理療法である「森田療法」では、感情は自然現象であり、人間の意思でどうすることもできない。だから、ありのままに体験すればよいと言われています。「なくそう」「落ち着こう」と意識すればするほど、怒りの感情が持続し、収拾がつかなくなってしまうのです。

 

そして、森田療法では感情ありのままにしておけば、「山形の曲線」で推移するとされています。つまり、「峰を上るようにいっとき上昇しても、頂上に達すればあとは下るだけ」ということです。したがって、感情はいずれ自然に収まるのだから、そのままにしておけばよいということです。

 

 

■「努力」で怒りをセーブすることは不可能!?

 

とかく私たちは、「怒らないようにしよう」「イラっとしたときには良いことを考えよう」などと、認知の力で怒りをセーブすることを試みがちです。それは、合理性や効率性を重んじ、努力の成果を期待する現代人ならではの発想とリンクしています。しかし、そうすることによって逆に怒りが意識され、気がつけば怒りの元凶のことばかり考え、限界を超えたストレスが爆発するという事態に発展しがちです。

 

普段、怒りとの格闘で疲弊したり損をしている人は、怒りという「どうにもならない感情」を受け入れ、「ありのままに感じる」という体験をしてみましょう。その体験から得られることは、たくさんあります。「怒りも頂点に達すれば、自然に下り坂に入る」と想定できれば、怒りの感情にいちいち振り回されることもなくなります。その結果、「怒りっぽい自分」から「おおらかな自分」へと、自然に変化していくものと思います。

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