イノッチのわき汗発言が正論、企業主導のアンケートへのギモンも

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2017年06月07日 01:00  citrus

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「イノッチ」こと人気アイドルグループ『V6』の井ノ原快彦(41)が、司会を務める朝の情報バラエティ番組『あさイチ』(NHK総合)で発言した“とある問題提起”が視聴者やネット住民から賞賛を浴びているらしい。

 

この日(5月31日)の放送は、汗じみやニオイなどの汗対策最新情報を伝えると同時に、「スメルハラスメント」という言葉が生まれるほど“ニオイに敏感すぎる人”が増えた理由を考える……のがテーマだったようで、そこでイノッチは

 

「ハラスメントって(他人を貶めよう)とする悪意がどこかにあるけど、(スメハラは)悪気ない人が『ハラスメントをしている』もしくは『してるんじゃないか』と自分で悩み続けてしまう問題なんでしょうね」

と、セクハラやパワハラやモラハラなど、従来のハラスメントとの微妙なニュアンスの違いを示唆するコメントを。さらには、番組中で男性500人を対象にした「女性のワキ汗どう思う?」というアンケートの結果が発表されたのち、「このランキング自体が、ボクには信用できないんですよね」とバッサリぶった切った……のだそう。

 

ちなみに、使用されたアンケートは、5位に「頑張ってるなと思う」と肯定的な意見こそあったものの、1〜4位は「清潔感がない」「信用ができない」「生理的に受け付けない」「周りへの配慮ができなさそう」と、ワキ汗ガールをけちょんけちょんに叩きまくる意見が勢揃い状態……だったが、そのアンケートを行ったのが、じつは「エアリズム汗取りキャミソール」などを販売する『ユニクロ』で、しかも自由回答ではなく「要領が悪そう」「尊敬ができない」「つまらないミスが多そう」……ほか、あらかじめ用意されていたマイナスイメージの選択肢のなかから選ぶ形式であったらしく、それに対して同番組の女性司会者・有働由美子アナウンサー(48)とともに、

 

「だいたいさ、ワキ汗をかいて頑張っている女性を『信用できない』とか『周りへの配慮ができなそう』って、お前のことが信用できないし、あんたのほうが配慮できないやつだよと思いますけどね」(有働アナ)

 

「いいじゃん人間らしくてね〜。動物なんだから」(イノッチ)

 

「日本だけよ、こんなに女性のワキ汗のシミにみんながいろいろ言うの」(有働アナ)

……と、番組の企画自体を台無しにしてしまうほどの“総攻撃”を行った……という経緯である。

 

まったくもって正論だ。「信用できない」「周りへの配慮ができなそう」「要領が悪そう」「尊敬ができない」「つまらないミスが多そう」……って、たしかにひどすぎだろ。生理現象をねじ曲げてまで潔癖を強いるのか? 汗腺を焼き潰せとでもいうのか? それこそモラハラってヤツではないか。

 

ただ、企業が自社の商品を売りたいがため、“ソレっぽい”アンケートの数字を後ろ盾とし、ユーザーの危機感をいっそう煽っていく手法は昔からよくある古典的な戦略で、私もこの手のいびつなアンケート調査をもとに「一つの世論をでっち上げる作業」に荷担する原稿を、高額なギャラにかまけて書いたことは、正直なところ……数多い。

 

そんな私がこう申すのもなんだが、アンケートは選択項目がシンプルであればあるほど望ましい。極論は「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3択がベストだと思う。チョイスの幅の広さはそのまま誘導尋問、アンケートを主導する側の恣意に連結している……くらいに疑ってかかったほうが良い。

 

もし、この「女性のワキ汗問題」を本気でフラットに考察したいなら、「女性のワキ汗についてどういう印象を抱きますか?」という質問を掲げ、回答パターンを「不快」「頑張っていると好感が持てる」「どちらでもない」にすべきだったのだ。そして、その結果は私が推測するに、おそらく「不快:10%」「頑張っていると好感が持てる:20%」「どちらでもない:70%」あたりに落ち着いたのではなかろうか。

 

もちろん、ここで一番重要なのは「どちらでもない」といった回答で、つまり「本人がデリケートになりすぎるほど、他人はアナタのワキ汗に注目していない」のが正解。ちなみに、私は女性のワキ汗に「ちょっと萌えっとしてしまう」性癖の持ち主で、こういう「3択に該当しない突飛な意見」は、「例外」として(時間があれば)紹介するなり、拡大解釈して「頑張っていると好感が持てる」にブチ込んでおけば、それで解決する。ワキ汗を気にしすぎるがあまり、女性のノースリーブ率が上がっていくなら、ノースリフェチのゴメスとしては喜ばしいかぎりなのだが……(笑)?

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