結婚後の「正しい恋愛」はあるのか?

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2017年06月13日 10:00  citrus

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今年に入ってから続々と出てくる「不倫報道」。露見したときの対処のしかたについてもさまざまな意見があるようだ。

 

「結婚後の正しい恋愛のしかたってあるのかしら」。知人が言ったその一言に、私は違和感を覚えると同時におもしろいなあと思った。まるで「ダイエット中の太り方」を考えているように思えたから。

 

友人が結婚したとき、「これでもう恋愛市場で活動したり競争したりしなくてすむから、ほっとした」と言ったのを思い出す。以前は確かにそうだったのだ。結婚したらもう恋愛しなくてすむのだから。結婚は自分の人生において、「恋愛のゴール」だった。

 

だが時代は変わり、「恋愛と結婚は別」になった。だから結婚していても恋愛はするのだ。自分の意志としては「しないつもり」でも、いざとなればブレーキがかからず、また恋愛市場に出ていってしまうものなのだろう。

 

 

■決して誰にも言ってはいけない

 

結婚後も恋愛をしてしまった多くの男女が口にするのは、「とにかく誰にもばれないようにすること」だ。これが最重要ポイント。

 

「たとえ親友であっても言わない。女性はつい友だちなら大丈夫だと思うけど、相手を信用できるできないに関わらず、ひとりに言ったら拡散されると心すべきだと思います」、結婚15年のルミさん(仮名・42歳)は、自身の経験からそう言った。5年前、職場の既婚男性と恋に落ちたとき、不安が募ってうっかり学生時代の親友に話してしまった。口止めしたのに、翌日には別の友だちから心配するメールが来たという。

 

「そうやって拡散されていけば、職場や家族の耳にも入る危険性も高くなる。この人とこの人はつながっていないから大丈夫とは言えないと痛感したんです」。

 

男性に比べて、女性はどうしても自分の恋愛話を友人にしがちだ。それは独身時代からの習慣なのかもしれないが、既婚者の恋愛を世間がどう見るかは、不倫報道によるバッシングからも明らか。標的にならないように気をつけたほうがいいと言えそうだ。

 

 

■いかに精神的安定を保つか?

 

恋愛をしていると、どうしても精神的に不安定になる。好きな人の言葉に一喜一憂したり、なかなか会えずにいらいらしたりするものだ。不倫の場合は、どうやって精神的に自分を安定させるかが重要になる。

 

「ある女性と深い関係になってから1か月後くらいに、妻から『最近、なにかいいことあったの?』と探りを入れられ、どきっとしました。自分では浮かれているつもりはないのに、どこかいつもとは違っていたんでしょうね。どれほど気をつけても気をつけすぎることはないのが不倫という恋愛なのかもしれません」(46歳)

 

男女問わず、自分の感情をうまくコントロールする術を身につけるしかない。家庭を維持しながら恋愛をしていくには、かなり強靱な精神力が必要となるのだ。

 

 

■自分で選択し、決断し、まっとうしなくてはならない

 

結婚後に、「これぞ運命の人」と心から思える人と出会う可能性もなくはない。お互いにそう信じ、離婚にまつわる煩雑な事務的精神的作業をすべてクリアできるなら再婚もあり得るだろう。ただ、「恋愛と結婚が別」であるなら、離婚して再婚したとしても、またどちらかあるいは双方に恋愛問題が勃発しないとも限らない。

 

「結婚していながら恋愛すると、私たちの将来はどうなるんだろうとか、いつか一緒になりたいとか、そんなふうに考えてしまうこともあります。でも、そこは割り切ることと、家庭は家庭で充実させることが何より大事だと思います。私も恋愛して1年になりますが、最初の数か月はつらくてたまらなかった。子供への罪悪感もあるし、彼への思いも抑えきれない。でも今は、お互いに家庭が最優先、家庭が充実しているから、恋愛でもっと輝ける。今は家庭を大事にしながら、一生つきあっていこうと話しています」(49歳)

 

不倫など、都合のいい関係だと思われるかもしれない。好きなら離婚して再婚すべきという意見もあるだろう。だが、それらはすべて当事者が決めること。

 

「些細な誤解がもとで別れた独身時代の彼と再会、また恋におちて10年たちます。お互いに夫婦間でのセックスレスが長かったし、私は夫ともあまりうまくいっていません。でも子供が大学を卒業するまで離婚はせずにがんばるつもり。それができるのも彼が励ましてくれているから。私の人生には彼が必要だったんだと痛感しています」(45歳)

 

きっと誰にでもあてはまる「結婚後の正しい恋愛」などないのだろう。それぞれに事情があり、それぞれに考え方が違うのだから。ただ、自分の人生は自分で選択し、決断し、責任をもってまっとうしなければならない。結婚後の恋愛は茨の道かもしれない。それでもその道に踏み込むなら、世間の常識ではなく自分が定めた価値観を信じて進むしかないのかもしれない。

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