うなぎを食した後の“悩み”。私はこう解消する

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2017年06月13日 11:00  citrus

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うなぎはとてもうまい。「たまのぜいたく」となればなおのことだ。いきなり本稿の本筋からは外れるが、口にしたときの多幸感にしても格別である。だからこそ、うなぎを月に何度も食べるというような、日常との線引きが曖昧になるような食べ方はしたくない。いつだって、うなぎはごちそうなのだ。

 

牛丼店は牛丼を食べたい時に行く。コンビニはビールや、その他ちょっとしたものを買いたいときにとても助かる。でもどちらに行ってもうなぎを口にすることはない。うなぎに日常食に降りてきてもらってはいろんな意味で困る。私的にはたまに口にしたときの高揚感が薄れるし、大きなことを言えば資源保護・管理の面でも「安かろう」のうなぎが流通していいことなんて何ひとつない。

 

のっけから話が大きくそれた。今日のお題はそういう話ではない。栄養の話だ。なんだかんだ言いながら、土用にうなぎを口にする人は多い。だが大人にとって、うなぎはどこかしら罪悪感を伴う食べ物だ。だいたいのうなぎ屋で眼前に提供される最小構成は「うな重(丼)+吸い物+お新香(少々)」といったところだろう。ざっくり考えても、炭水化物、脂質、塩分が多めで、たんぱく質と食物繊維が少なめ。栄養バランス的には酢の物などの副菜でカバーしたいところだが、サイフ事情もあるし、あれこれ注文すると気が散ってうなぎに集中できなくなってしまう。たまの機会なのだから、"鰻喫"したくなるのが人情というものだ。

 

もっとも好き放題食べていては体がたいへんなことになってしまう。気をつけたいのは、その一食をどうリカバリーするか。

 

僕の周囲にいる「食」を仕事にする人たちの食生活を見ていると、仕事的に食べなければならないもの、栄養面で食べるべきものが一致することはまずない。僕もそうだ。土用の丑のうなぎのように1食単位どころか、日単位で栄養バランスや量が偏ることもしばしばだ。ラーメン屋とカツ丼屋を何軒もはしごするような仕事だってある。

 

だが大切なのは摂取してしまった分を把握しておくことだ。例えば土用の昼食に「うな丼(大)+吸い物+お新香」を食べたなら、夜はおひたしや酢の物、冷奴だけにして、糖質と脂質をカットする。1食という単位でのブレを受け止めながら、1日のトータルでバランスを取っていく。

 

体感レベルではこの方法は数日という単位でも有効で、例えば仕事で丼ものを1日7杯食べたら、翌日、翌々日は炭水化物を抜く。3日で回収できなければ1週間という単位で帳尻を合わせていく。1週間が難しければ、さらにロングスパンでも……とはなるが、体重や数値には利息がつく。長く放置すると、少しの調整では体重や数値が動かなくなってくる。中長期の目標は、短期目標をクリアし続けた先にしかない。「1食」という最小の単位を意識しながら、「やらかし」を少しずつ回収するのが基本的な考え方になる。

 

井上雄彦の名作マンガ『SLAM DUNK』に登場する安西先生は「あきらめたらそこで試合終了」と作中で2回言った。"発明王"エジソンは「私はあきらめないことの天才だ」と言い、アインシュタインは「大切なことは、何も疑問を持たない状態に、陥らないようにすること」、「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望を持つ」と言ったという。

 

たった一食なのに、ここまで人を悩ませる。つくづく土用の丑のうなぎは罪深い。や、たかが一食にここまで翻弄されるこちらの業が深いのかもしれないけど。

 

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