孤食でも、鏡の前だと“おいしく”感じることが判明

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2017年06月13日 12:02  QLife(キューライフ)

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高齢者や若者に広がる孤食


画像はリリースより

 鏡に映った自分の姿を見ながら食事をすると、鏡を見ないで食事をするときよりもおいしく感じ、食べる量も増えることが、名古屋大学の研究によって明らかになりました。一人で食事をする「孤食」が広がるなか、鏡という“相手”がいることで食事の質を高め、おいしく感じる効果を得られることが期待されます。

 近年、孤食の機会は増え、大学生がトイレの個室にこもって一人で昼食をとるという事例も報告されています。また、現在の日本では、65歳以上の世帯比率は34%以上で、そのうち1/4の高齢者は一人暮らしをしており、多くの高齢者が孤食をしていると考えられます。高齢者にとって、食事は生活の質に影響を与える重要なもの。高頻度の孤食はうつと関連が指摘されるほか、孤食が食欲減退を招くとの報告もあります。そのため、孤食の問題を容易に解決できる方法が求められていました。

 そこで、名古屋大学大学院情報学研究科の中田龍三郎研究員と川合伸幸准教授らのグループでは、65歳以上の高齢者と大学生を対象に、孤食に関する実験を行いました。実験では、自分が映る鏡と部屋の壁が映ったモニターの前で、それぞれ一人でポップコーンを食べてもらい、おいしさなどを点数で回答してもらいました。

鏡の前では食欲もアップ

 その結果、高齢者と大学生のどちらも、壁が映ったモニターより鏡の前で食べた方がよりおいしいと感じ、食べる量も増加することがわかりました。さらに、鏡ではなく、自分の写真をモニターに映しながら高齢者に食事をしてもらっても、壁が映っているモニターの前で食べるよりもおいしく感じ、食べる量も増える結果となりました。

 これまでも、一人で食べるより誰かと食事をする方がおいしく感じることは知られていました。この「社会的促進」を生じさせる原因として、一緒にいる人との関係やムード、誰かと同じ行動をすることなどの条件が考えられてきました。しかし、今回、鏡や写真の自分と食事をしても社会的促進効果が得られたことで、「食事中に人の存在を感じる」という条件だけで、おいしさが高まることがわかりました。

 今回の研究で、鏡を使うことで幅広い年齢層の食事の質を高める可能性が示されました。例えば、病室での食事は味気ないといわれますが、このように鏡を用いることで少しでも食事をおいしく感じられる効果が期待できます。研究グループでは今後、病院などでの効果を検討する研究を想定しています。(菊地 香織)

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