糖尿病予防の通説に“裏付け” 全身持久力維持で発症リスク低下

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2017年06月15日 12:02  QLife(キューライフ)

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働く男性7,000人以上を追跡調査


画像はリリースより

 2型糖尿病の発症リスクと全身持久力の関係について、一時的に全身持久力を高くするよりも、高さをキープし続けた方が発症リスクを低くすることが、東北大学などの共同研究で明らかになりました。これまでは通説だった「全身持久力を高く保つことは2型糖尿病の予防に有効だ」という考えを直接支持する、世界で初めてのデータを示したことになります。

 2型糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなって起こる糖尿病で、国内の糖尿病患者の9割以上がこのタイプです。食べ過ぎや運動不足、喫煙などが発症原因といわれ、中高年に多いとされています。これまでも、全身持久力を高く保つことが予防につながると考えられていますが、それが一時的なものなのか、継続した方が良いのか、はっきりしていませんでした。

 そこで、東北大学大学院医工学研究科の門間陽樹助教と永富良一教授が東京ガス株式会社などと共同で、働く男性7,158人を対象に、全身持久力と2型糖尿病発症との関連について、最大23年間にわたる追跡調査を実施しました。

継続的に高いグループで低い発症リスク

 研究グループは、追跡調査が開始される前の8年間で4回以上全身持久力を測定した男性について、時間に伴う全身持久力の変化量を算出。全身持久力が継続的に高いグループ、一時的に高いグループに分けたのち、各グループ内で高さに応じて4群に分け、2型糖尿病を発症した人数を比較しました。

 その結果、継続的に全身持久力が高いグループのなかで、一番低い群を基準にみると、全身持久力が高くなるにつれて、発症リスクが段階的に低くなることがわかりました。一方で、一時的に高いグループでは、全身持久力の差によって、発症リスクに違いは認められませんでした。

 今回の研究により、これまでは通説に過ぎなかった、全身持久力の高さと2型糖尿病予防の関連について、“裏付け”がされたことになります。全身持久力は、ランニングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動で高めることができるもの。「継続は力なり」という言葉があるように、気が向いたときだけ運動をするのではなく、無理のない範囲でコツコツ続けた方が健康を保てるようです。(菊地 香織)

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