【コラム】 認められなくても気にしない? 国家めざし「勝手に」独立宣言
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2008年04月16日 11:46 よりミク
2月17日、旧ユーゴスラビアのセルビアから独立を宣言したコソボ。米英仏独など二十数か国に続き、3月には日本政府も国家として承認しました。しかしセルビアやロシアは「コソボはニセモノの国家を作ろうとしている」と強く反対し、対立が深まっています。
そもそも独立国家とは、どうすればなれるのでしょう?
まず国家になるには領土、国民、主権の3つの要素が必要。そしてその要素を備えているかどうかの判断は、他国に委ねられます。
ところが世界には、そんなことは意に介さず一方的に独立宣言してしまう人たちがいます。
英国沖10kmの北海洋上に位置する「独立国家」シーランド公国。領土は2本の円柱とその上の甲板の総面積207平方メートルのみ、国民は4人という「自称」世界最小の国家です。もともとは第二次大戦時に英軍が建てた海上要塞でしたが、元英軍少佐のパディ・ロイ・ベイツ氏(現、ロイ・ベイツ公)が英国の領海外であることに目をつけ、一家で勝手に占拠し独立国家を宣言しました。
英国はもちろん認めたくありません。しかしロイ・ベイツ公は「公海には英国の司法権が及ばず、統治権は国際法的にも有効」と主張して居座り続けます。そして独自の切手やコイン(シーランド・ドル)を発行。爵位もネットで販売して国家財政の柱にしていました。テレビ番組内で西川きよしが購入して話題になったことも。この国では西川卿なのですね。
シーランド公国やロイ・ベイツ公の写真。Principality of Sealandサイトより |
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勝手に作られた国はカリブ海にも存在します。ニューアトランティスと呼ばれるその国家は、ブロックや竹、鉄パイプなどのやぐらに鉄道車をのせた人工島で、小説家アーネスト・ヘミングウェイの弟レスターによって1964年、独立宣言されました。国民を増やして大統領選挙まで実施しましたが、漁民に占拠された後、嵐で海に沈んでしまいます。
税金や犯罪、その他あらゆる干渉を排したユートピアを目指して築かれたのがミネルバ共和国。トンガの東南400kmほどにある岩礁を乗っ取り、独立宣言しましたがどこからも認められていません。その後トンガが領有権を宣言したり、フィジーが主張したり、ミネルバも提訴したりと、いまなおモメ続けています。
独立は宣言するより維持していくほうが大変なようです。シーランドは「国土」が老朽化したうえ、ロイ・ベイツ公も高齢となったため、2007年に国の主権を6500万ポンド(当時約148億円)で譲渡すると英紙で報じられました。不法占拠した海上要塞に148億という強気の値付けができたのも、「独立国家」を続けてこられたからこそ、かもしれません。(編集・執筆/mixiニューススタッフ)
関連サイト
The Principality of Sealand http://www.sealandgov.org/
シーランド公国の公式サイト(英語)
Principality of Sealand http://www.fruitsofthesea.demon.co.uk/sealand/gallery.html
シーランド公国の初期の歴史を紹介しているサイト(英語)
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