たとえば、バレーボール。試合中に劣勢の時、「タイム」をかけることより気持ちが切り替えられ、劣勢を跳ね除けて攻勢に転じることが度々あります。今回、取り上げるテクニックは、このバレーボールの「タイム」に近い意味合いを持つ「タイムアウト」というものです。即効性のあるテクニックのひとつといわれています。
意見が白熱し、このままでは相手の胸ぐらをつかんでしまいそうな会議室から、または、奥さん(旦那さん)と言い合いをして、このままでは手を上げてしまいそうなリビングから“逃げる”ことは、悪い事ではありません。最悪な事態を避けるためには、むしろ“逃げた”方が賢明でしょう。しかし、ただ単に“逃げる”ことが「タイムアウト」という訳ではありません。それではテクニックにはならないからです。
「タイムアウト」には、いくつかの条件があります。まず、その場から離れるとき、相手にどのくらいで戻ってくるかを告げなければいけません。「10分で戻ってくるから、時間をくれないか」、「1時間、外で頭を冷やしてくるよ」などと戻ってくるまでの時間を言って、離れるのです。冷静さを取り戻せられそうな時間を告げることがミソになります。
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次の条件は、「タイムアウト」を宣言して、その場を離れてから、やってはいけないことがあることです。それは、激しい運動、飲酒、運転です。激しい運動はもちろん、アルコールを飲むことも、車を運転することも、テンションを上げ、怒りを増幅させてしまうから厳禁なのです。
では、何がいいのか。これは3つ目の条件ですが、ストレッチやヨガ、有酸素運動となる散歩など、リラックスできるものをすることです。怒りを軽減させ、落ち着いて、気持ちを切り替えることが目的ですから、自分独自の方法があれば、それをやることに越したことはないでしょう。
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このテクニックも利用価値は絶大です。「このままでは……」と心に黄色信号が灯ったとき、その場から離れる「タイムアウト」を使ってください。冷静になって戻ってきたら、相手よりもいいアイデアが浮かんだり、相手より上に立てる確率がグンと高まります。