ホーム > mixiニュース > 国内 > 胃の修復と再生に必要な「組織幹細胞」の異常で胃がんが発生

胃の修復と再生に必要な「組織幹細胞」の異常で胃がんが発生

0

2017年06月27日 12:01  QLife(キューライフ)

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

QLife(キューライフ)

かつて日本における死亡率ワースト1のがんだった胃がん


画像はリリースより

 傷ついた胃の修復と再生に必要な組織幹細胞を特定し、これらの幹細胞でがん遺伝子が働くと胃がんが発生することを、金沢大学とシンガポールA-STAR研究所の共同研究グループが明らかにしました。胃を修復・再生するのに必要な組織幹細胞が、一歩間違うと、がんの発生に重要な「がん幹細胞」に変化してしまうことを示唆しています。

 胃がんはかつて、日本における死亡率ワースト1のがんでした。しかし、国立がん研究センターによると、高齢化のため胃がんにかかる人の全体数は変わらないものの、人口10万人あたりの罹患率は男女とも減少傾向にあり、胃がんを取り巻く環境も変わりつつあります。

 胃がんは、胃の壁の内部の細胞が何らかの原因でがん細胞になって増殖を繰り返すことで発生します。通常、検診などで見つけられる大きさになるには何年もかかるといわれています。胃がんの発生リスクは、喫煙や食生活などの生活習慣や、ヘリコバクターピロリ菌の感染などで高まりますが、胃には修復機能もあり、日々修復されています。

組織の幹細胞にある遺伝子「Lgr5」に着目

 研究グループは、大腸や小腸、子宮など、さまざまな組織の幹細胞にある「Lgr5」という遺伝子に着目。緑色蛍光タンパク質を使って、胃の中心部である胃体部にLgr5遺伝子が発現している細胞を可視化できるモデルマウスを作り、解析を行いました。

 その結果、胃体部にもLgr5陽性細胞があることを発見しました。これらの細胞は、胃が傷ついたときには、Wntというシグナルに依存して盛んに分裂します。そして、胃組織を形作る全ての細胞を産み出し、傷ついた部分を修復することがわかりました。一方で、Lgr5陽性幹細胞でがん遺伝子を働かせると、胃がんが発生することも明らかになりました。

 今回の研究から、傷ついた胃を修復するのに必要な組織幹細胞が、がんを生み出すがん幹細胞に変化することが明らかになりました。研究グループでは、「胃体部の組織幹細胞のみならず、胃がんの発生機序の一端が明らかとなりました。将来的に、これらの研究を発展されることで、胃がんの根本的な治療法及び効果的な抗がん剤の開発が期待されます」としています。(菊地 香織)

関連リンク

⇒元の記事を読む

    あなたにおすすめ

    ニュース設定